タテじま
仙一語録 タテじま

2002年1月2日〜13日

1月13日

チームを強くする気があるなら
多少の暴走、暴言はいい

 ――新大関の栃東が白星スタートです

 星野監督 ホントか。今日が(大相撲初場所の)初日ということも忘れていた。余裕ないのかな。もう始まったんだね。

 ――1日に2度の講演は大変ですね

 星野監督 教育論、コミュニケーション論を話してるんだけどね。ボールだけのキャッチボールはダメ。心を通わせないといけないよね。最近の子供は裕福だし、頭もよくなっているけど、心貧しい子供が多い。私と一緒にそれを考えましょうということ。

 ――新人安藤が星野監督のように内角攻めを宣言してました

 星野監督 オレが内角攻め? いかに緩いボールで打ち取るか、という時にそうなったんや。しかし晩年やで。(安藤は)子供だし、オレの晩年しか知らんかな。全盛期を見せてやりたかったよ。

 ――安藤は投げ込んできたみたいです

 星野監督 今の時期はそう投げ込まんでもええやろ。それより下半身や。柔軟体操をしっかりしないとな。故障が長引くのは体が硬いからやしな。まあ、あまり張り切りすぎるなよと言いたい。ドラフト上位で気合が入るのは分かるが、吹っ飛んだやつを何人も見てるからな。

 ―開幕の巨人2連戦で投げたいと言ってましたが。

 星野監督 いいこっちゃやないか。それぐらいの意気込みでないとな。開幕投手とは言わなかったか?

 ―藪も開幕投手を視野に入れるぐらいの気持ちでやると言ってます。

 星野監督 前から言ってるように(藪も)そういう気持ちを持ってないことはないんだよ。みんな、そういう考えを持ってますよ。ただ言うタイミングだとか、気持ちよく言えないものがあったんだと思う。多少の暴走、暴言はいい。根底にチームを強くする気があるならね。藪は老け込むにはまだ早い。(頭の中に)開幕投手候補の1人としてありますよ。みんな、そういう気持ちであってほしいな。

 ―サイン会での発言だったようです。

 星野監督 サイン会? いまの時期にか。まあいいよ。サイン会もそうだけど、選手にはボランティアの心を忘れないでほしい。オレは東海3県や岡山の福祉施設へ訪問してるけど、その度に自分たちがいかに健康で幸せかと思う。失礼かもしれないが、運動したくでもできない、勉強したくてもできない人がいる。

 ―阪神の選手にも勧めますか。

 星野監督 ドラゴンズの選手はサンタの格好をしたり、ユニホーム姿で(慰問に)行ったりするね。でも私服でも、藪だ、福原だ、井川だ、と言われるような選手にならないとね。関西だけで言われてもダメ。東京でも言われないと。すると給料でもめることもなくなる。めいっぱいくれるやろ。いかにオレたちは親から丈夫な体をもらって幸せか、感じるぞ。それにしても(施設を)支えているスタッフには頭が下がるね。親も大変。初心に帰るというか、考えさせられるよ。講演でも言うんだ。理屈より、1回は見に行かれたらどうか、と。

 ――トレードの可能性は

 星野監督 トレードは正直言って何も考えていない。キャンプに入ってからだ。キャンプを見て、オープン戦ではあるかもな。ここは弱いとか、ここが余ったとかなれば…。でも余ることはないな。層は厚くないし、生かすことを考えないとな。

タテじま

1月12日

どんなにファンが騒いでもオレは孤独、
今は戦力を考える時期

 ――島野ヘッドが虎風荘の梅本寮長にも若手に関する要請をされました

 星野監督 2軍の選手が甲子園に見にくることかな。1軍半やこれから(1軍に)呼ばれそうなやつは準備しとかないとな。このピッチャーはどんな球を投げるとか、このバッターはどうかとか。頭や心の準備も練習と一緒や。

 ――できる限りコンビニへの出入りをやめさす要請もあったようですが

 星野監督 食事はしっかり摂って、それで腹が減ったら仕方ないけどね。体力は大事なんだから。若いころからやっておくことが。

 ――体力面でも?

 星野監督 名古屋に帰って机の中を掘り返していたら1分間体操というのがでてきたよ。自主トレをしっかりやっておればいいがね。10数項目あって、たった1分が結構長く感じるんだ。これでどこが弱いか、はっきり分かる。コーチ会議(18日)に持っていって渡して…日々やったらめちゃくちゃ体力付くぞ。オリンピック選手も負けない体力がな。もう一度、読み返して修正して、付け加えるところは付け加えるよ。トレーニングコーチと相談しながらやっていくけどね。

 ――そんなに大変なんですか

 星野監督 1分間体操は面白くて楽しくてキツイぞ。1分間が10分にも20分にも感じるんや。資料を探していたら見つかってね。もうアタッシェケースに入れたよ。日々やっていけば蓄積されると思う。自分の弱いところが暴露される。

 ――新人への扱いの方針はありますか

 星野監督 データだけじゃ分からないし、基本的なことをやらせてからでないとね。高校、大学、社会人でも違うしね。昔の高校生の感覚でやると、今は故障するからね。体力がないんだ。試験とかで練習してないから。高校生で即戦力も難しいね。肩、ヒジを痛めないようにしないと。ドラフトで選ばれるというのは銀と金を織り交ぜたようなものなんだから。ただ性格と頭は別だよ。甘やかしじゃない。心と頭を鍛えるのはいい。

 ――選手もリポートを出さすんですか

 星野監督 選手にも出してもらうよ。島ちゃん(島野ヘッドコーチ)に電話してテーマを授けてリポートを出せというよ。今なら半月あるからね。担当記者にもリポートを出してもらうよ。具体的なことを書いてくれ。絶対に担当記者の意見は参考にしないとダメ。何年も見てきてるんでしょ。キャッチフレーズだって、だからみんなで決めたんだから。具体的なことを書いてよ。タイガースと共存共栄という気持ちで。1人では何もできないんだ。担当記者も戦力なんだから。

 ――忙しい日々ですね

 星野監督 今は考える時期。戦力をね。だから自分の世界に入りたいわけ。どんなにファンが騒いでくれたり、マスコミに取り上げてもらっても、キザな言い方をすると、オレは孤独なんだ。シンキングタイムに入ってるからね。

タテじま

1月11日

ファン熱狂的…ご迷惑かけてもいかんし

 ――警察署をあいさつ回りするのは阪神監督では初めてですが。

 星野監督 いろいろ、あれだけの人間が集まる場所。(阪神ファンは)熱狂的だし、ご迷惑をかけてもいかんし、よろしくということです。優勝パレードの時、大騒ぎになってもいかんしな。ハハハ。まあ、しかし前からこういうところはキチッとあいさつしてきたからね。

 ――それぞれの警察署では何が言われました?

 星野監督 兵庫でも、大阪でも…昨年は大阪でバファローズが優勝したんだね。もうそろそろじゃないか、と言われたよ。パレードして下さい、とね。兵庫県警でも、大阪府警でも両方言われたよ。

 ――具体的なコースの話も出ましたか。

 星野監督 4年連続(最下位だろ)だろ。バカ言っちゃいけないよ。ハハハ。警備の話? そんなことも一切出てないよ。ファンに失礼だ。

 ――話題は変わりますが、藤田が丸刈りにして気合十分をアピールしてますが。

 星野監督 そんなのは本人の勝手や。まあ、いいんじゃないか。気持ちを入れ替えてやるのは。自分の方から準備するんだから。

 ――代理人交渉は3人になりました。

 星野監督 代理人を使わずに(契約交渉は)処理しろ、と言いたい。それぐらいでないとバッターを処理できんやろ。それぐらいの金額を処理できんでどうするんや。気持ちよくキャンプに行けんやろ。

 ――広島山本監督が、阪神はオフだけ優勝している、今のうちに独走しとけとおっしゃってたそうですが…。

 星野監督 当たっとるやないか。余裕のなせるわざだ。それは本人のコメントが正しい。

 ――アイク生原さんが殿堂入りされました。

 星野監督 アイクさんは大恩人です。今のルートで野球ができるのも彼のおかげ。付き合いは20年になる。ワシがアメリカへ行くときはどこへでも付き合ってくれた。思い出はベロビーチキャンプかな。ジャイアンツの聖地と言われたところでやらせてもらった。ピーター(オマリー元会長)とかラソーダにつないでくれた恩人。そういう人脈は今でも生きています。クツを磨き、洗濯をして下積みをしてオーナー秘書にまでなった人。指導者で帰ることが夢だったが、かなわずに亡くなった。それだけに(今回の受賞は)良かった。外国人の扱い方とか、いろいろ教わった。ガンのお見舞いに1泊3日で行ったことを今も覚えている。野茂やイチローが生まれたのは、あの人のおかげ。太平洋を狭めた開拓者です。

タテじま

1月10日

島野ヘッドはオレの10倍野球を知っている

 ――右腕の島野ヘッドコーチがいよいよ就任しましたが

 星野監督 右腕どころじゃない。もう両腕両足と言っても過言ではない。11年間、選手を叱ってきたが、彼(島野コーチ)にはよく叱られた。私は淡泊なところがあって、ゲームを捨てるということがあったが、よく叱られた。

 (記者会見後)

 ――監督が望んでいたスタッフになりました

 星野監督 なったね。島ちゃんも長いこと阪神にいたし、選手時代から今のスタッフを知っているし、オレ以上に阪神のことを知っているわけだから。聞いた話だけど、去年まで2軍からの報告だとか、そういうものが途中でストップしてたんだって。(これからは)風通しが悪かったと言われないようになるやろ。

 ――練習方法に変化はでますか

 星野監督 極端に変わることはない。キャンプでやることは限られている。野村さんも細かいことやられていただろうし、想像もつくけど、取り組み方が変わるだけだね。

 ――意識革命ということですか

 星野監督 性格的に(意識を)出しやすい人、出てこない人がいると思う。でも出しすぎるほど出してほしい。意識改革というより、どういう形で意識を出していくか。出し方を教えていきたい。

 ――島野ヘッドの存在は心強いですか

 星野監督 ボクより厳しいからね。情熱ももっている。オレは監督というポジションということ。歴史を振り返っても、必ず智恵者、参謀、アドバイザーがいる。いわばNO・2のトップだね。

 ――サードコーチャーは島野さんですか

 星野監督 それは若い人に任せるんじゃないか。本人が出たいなら考えなアカンけど、教えていくんじゃないか。しかし長いシーズンで迷いがあると島ちゃんに相談したもんだ。厳しい男だけど、選手には慕われている。裏方にもね。オレがジェラシーを感じるぐらいにね。

 ――監督が叱られたこともあったとか

 星野監督 序盤に6、7点取られると負けと思うじゃない。試合を捨ててしまって、また明日や、となる。すると(島野コーチが)オレたちが最後まで粘ろうという教育をしてるのに、監督が見捨てたら、オレたちはどういう教育をすればいいんだ、とね。イエスマンの参謀はいらない。オレの考え方は島野の考え、島野の考えはオレの考えだ。上下関係では11年だけど、プライベートでは34年の付き合いになる。海外へも家族ぐるみで行ってたしね。

 ――頼りになりますね

 星野監督 オレの10倍は野球を知っている。見抜くということは抜群だよ。アップ見ていても『アイツは寝てないよ』とか、すぐ分かる。『動きが違う』と言うもんね。島ちゃんの姿を見ててくれれば、コーチも勉強になるよ。

 ――18日のコーチ会議のテーマは

 星野監督 キャンプの方針、ビジョンを立てたい。それに沿って、練習内容を組みたい。今までの内容も聞いて、いいものは残し、付け加えるものは、付け加える。新しいスタッフが意見を出し合いながら、意見を決めていこう、と考えている

タテじま

1月9日

いい返事もらえると思っている

 ――田口選手が9日に帰国します

 星野監督 そういうスケジュールになっとるね。明日帰ってくるのは知っとったよ。

 ――返事が楽しみ?

 星野監督 きのう(7日)言ったように飛行機の中で結論出してるだろ。(日本まで)10時間ぐらいかかるのかな。いや、乗る時点でもう決めとるかな。大阪で決めることはないだろ。(メジャーから)オファー出て数日だからね。それでセントルイスに行った。もう答えは白か黒か出てるだろうし、いい返事をもらえると思っている。

 ――心境は?

 星野監督 やることはやったというより、もう待つしかないからな。

 ――田口選手とは監督と2人で話をするのか

 星野監督 (球団の)編成も入るんじゃないかな。ただ、彼が監督と2人で話をしたいと言えば、そうする。でも阪神が出している条件も知らないしね。そういう話になったとき(編成に)入ってもらう形になるかもしれない。

 ――田口選手はどんな顔をして会うでしょうか

 星野監督 そんなの知るか。オレがどんな顔をして会えばいいんだ? しかし早く決着してよかった。向こう(米国)まで行って結論出したんやから。

 ――手応えは?

 星野監督 いい返事をもらえると思ってなかったら会ったりしないよ。彼も一世一代の勝負だろう。しかし夢というのはやっかいやな。

 ――すでに田口選手が入ることを想定しているのか

 星野監督 そうね。田口が入れば全然違う。競争が激しくなるだろうな。それこそ今までの阪神に足りなかったものだろう。

 ――これからは1人数ポジションこなす必要になる

 星野監督 そうやな。上坂はセカンドとセンターを守れるな。それが赤星への刺激になる。浜中もサードもしとったらしいな。ということは一塁もできる。足も速いらしいね。(スイングのジェスチャーをし)しっかりすればポジションは与える。今まではポジションを与えてから大きくしている。しかし本当は奪うものだ。キラキラ光るものはみんな持っているよ。それを出せるようにしないと。

 ――田口と会うホテルへは直接向かうのか

 星野監督 夕方に大阪へ移動してホテルに行きますよ。しばらく待つことになる? ここまで待ったのに2時間ぐらい待ったってな。

タテじま

1月7日

阪神は恒例が多すぎる、だから最下位も…

 ――田口選手から連絡は

 星野監督 きのう(6日)電話で話をした。向こうからかかってきたんだが、出られずにこっちからかけ直した。お母ちゃん(恵美子夫人)に代わってくれと言ったんだ。(夫人は)「私も主人の本音の部分はまだ理解できません。でも星野監督になっていなかったら、こんなに悩まなかったと思います」と話していた。

 ――田口選手には

 星野監督 おまえを入れたオーダーを想定していると話したら「ありがとうございます」と言ってたよ。(星野監督と直接、話をしに)「(監督の自宅がある)名古屋に行きます」と言ったから、来る必要はないと。オレが関空(関西国際空港)で虎の旗を持って待ってると言ったら恐縮してたな。

 ――決断の時期は

 星野監督 (帰国の)飛行機に乗るときにはもう、決断しているものと思っている。「セントルイスに行き、いろいろ見て帰国します。それから決めます」と話していた。それも気になるな。でもうっちゃりがあるかもな。待つ身もつらいが待たせる方もつらい。どっちに転んでもうらみっこなしだ。

 (外国人選手の話に)

 星野監督 日本で(外国人選手の)右打者で活躍したのはみんな頭がええよな。アリアスにもその柔軟性があるか。そのへんが心配。性格はいいらしいけどね。でも性格が悪くても、打ってくれればいいけどな。

 (安芸キャンプでテレビに合わせて紅白戦が組まれていることを知り)

 星野監督 ビックリした。オレの知らないところで決まっていた。選手がまだ紅白戦ができる体じゃなかったらどうするんだ。そういう日程はコーチ会議で決めるもの。しかし、恒例だって。阪神は恒例が多すぎる。最下位も恒例になっとるやないか。

 (島野氏の正式退団を受け都内ホテルで)

 星野監督 ある意味ホッとしとるな。ある程度思っていたが現実になって、これでスクラムが組める。

 ――野崎社長は「心強い援軍だ」と話した

 星野監督 オレが楽できるわな。歴史を見てもそうでしょ。戦国の武将もそうだろうし必ず名参謀とか知恵者がいた。改革するなら1人でという人もいるが情報化が進む今の時代、1人で何ができるんだ。1人の力なんてしれとる。オレの力なんてしれとる。これは謙そんでも何でもない。

 ――あとは戦力

 星野監督 アメリカからデータを集めてキャンプ中も(外国人獲得へ)動く。あとキャンプでは現有戦力をどう生き返らせるか、それだけね。それまでは「ネバーネバーネバーサレンダー」だ。

タテじま

1月6日

4年連続最下位チームにキバむいたらあかん

 ――中日・山田監督が「乱闘になったらオレが出る。報復の死球は許さない。阪神をたたきのめす」と発言したが

 星野監督 レベルが低いな。タイガースをライバルにしとるようじゃ優勝できんぞ。4年連続最下位のチームをライバル視してるようではな。

 ――監督に特別な意識はないのか

 星野監督 オレはよそのチームのことより自分のチームを立て直して戦力作りすることしか考えてない。だからそういう発言できるのはうらやましいな。余裕があるんだろうな。

 ――逆に山田監督はかなり意識している

 星野監督 一緒に3年間(山田監督は)投手コーチとしてやってきたし当然だと思う。一生懸命、盛り上げようとしてるのは分かるわな、その発言を聞くと。しかし、報復の死球を許さないって、どう許さないの?

 ――あくまでゲームで勝負ということか

 星野監督 泥仕合なんかなりっこないよね。まあしかし、うちを相手にしているようでは寂しいのお。オレはもう少し高いレベルのチームを作ってきたつもりだよ。4年連続最下位のチームに竜がキバむいたらあかんで。

 ――昨年は(中日が)負け越した

 星野監督 昨年は負け越しといっても、オレがいる間に(阪神には)100勝ぐらいオーバーしてるんじゃないか。

 ――中日だけには負けたくない意識はないのか

 星野監督 そんなこと考えたことないね。ジャイアンツだけとかドラゴンズだけとか考えたことがない。オレは相手チームのこと言うの嫌いでしょ? まず対等に戦える戦力を作って初めて相手チームのことを言える。それに特定のところにキバをむいてもしようがない。それだと楽だが、5球団にキバむかなきゃしようがないじゃないか。トータルで最下位だろ。トータルで優勝だろ。すべてトータルなんだから。

 (再び山田監督発言に戻り)

 星野監督 まだ早いよ、キャンプも始まってないのに。オレが監督のときは、タイガースのことをそんなふうに思わんかったけどな。(名古屋のスポーツ紙担当記者に笑顔を向け)売れ行きが悪いんじゃないのか、オレが落ち着いたから。調べてみ、駅売りでなんぼ売れ残ってるのか。

 ――中日としても盛り上げようと必死なのでは

 星野監督 名古屋ドームを盛り上げようという意図があるんだろ。(笑いながら)年間予約席を売ろうとしてる。いいことだ、セールスになる。

 ――こう盛り上がって中日との初戦(4月16日)が豊橋球場はもったいなかったのでは

 星野監督 いいじゃない豊橋が一番。盛り上がっていいじゃないか。すごく愛情があったんだから。東三河の後援会はすごく中日を愛してくれた。オレが感謝の試合をしなけりゃいけない。

 ――立て直しについて真っ先に着手するのは

 星野監督 まず体力からいかなきゃしようがないでしょ。立て直すところはいっぱいある。

 ――田口選手から何か連絡は

 星野監督 ボクのところにはない。

 ――あす(7日)球団へ連絡を入れるということだが

 星野監督 (連絡が)入ったら教えますよ。

タテじま

1月5日

虎の応援は世界一「ストレスも世界一たまってる」

 ――阪神監督として甲子園球場に足を踏み入れた感想は

 星野監督 この球場は30数年間、高校時代から憧れた球場。ここがオレの死に場かな、という決心で見ている。

 ――自分が指揮を執る姿はイメージできるか

 星野監督 まだイメージが沸かない。タテジマに袖を通してないしね。ただ(キャッチフレーズでも)ネバーネバーネバーサレンダーと3つもネバーをつけているところに大きな意味があるし、決してへこたれない、負けない気持ちでやる。明日はない。今日しかなしという気持ちでやれば、おのずと結果は出てくる。

 ――選手の顔は浮かぶか

 星野監督 全く浮かばない。私が最初にマウンドに上がりたいくらいだ。このキャッチフレーズをキャンプで選手全員に染み込ませたい。

 ――球団の仕事始めに現場の監督が出られるのは珍しい

 星野監督 ロッカーとか監督室とか施設を拝見してなかったし、ちょうどいいタイミングかなと。本来我々の仕事始めは2月1日だけど、球団にもあいさつしてなかったしね。でも(球団職員は)7割ぐらいは知っている顔だったね。

 ――ナゴヤドームの監督室と違いますか

 星野監督 比較論はできないよ。ナゴヤ球場と比べると甲子園は立派だし、ドームはさらにハイテクを駆使してるし…。甲子園は古き良き時代を引き継いでいるからね。きれいにしてるし、リフォームしてる。ロッカーも広い。ビデオルームも広い。トレーニング室も立派。こんな立派なものがあるならもっと活用しないと。どこの球団にも引けを取らない施設。それには不満はない。

 ――一塁側ベンチから見た甲子園は

 星野監督 (中日時代も)雨天中止の時なんか一塁側ベンチに座っていたりしたよ。でもグラウンドは芝を含めて日本一だね。現役時代から投げやすかった。

 ――スタンドが満員のイメージは

 星野監督 ウチ(中日戦)のゲームでもあれだけの迫力だったしね。味方にした場合の巨人戦なんて、あの3倍ぐらいになるんじゃないか。幸せだよ。あの応援は世界一じゃないか。良い悪いは別にしてな。世界一ストレスも溜まってるかもしれないな。

 ――田淵コーチがラッキーゾーン復活を唱えてるが

 星野監督 打者と投手では立場が違うからな。相反するものが出てくるもの。ピッチングコーチがラッキーゾーン作ってくれと言うか。まあ、その舞台、舞台で対応していかないとな。ホームグラウンドなんだしね。

 ――新人の喜田が星野監督にしこ名で愛称を名付けてほしいと言ってる

 星野監督 新聞で読んだよ。考えてくれと言うから、オレもその気になって考えてたんだ。何? 球団に一喝されたって? 何で一喝するんだ。そうやってアピールすることはいいことなんだ。そういえば相撲のけいこというのは足腰の鍛錬になるぞ。昔、小さな土俵を作って押すだけの相撲をやらせたりしたよ。ちょっとやるだけで、フーフー言ってたな。ラグビーでも相撲のけいこするしな。他のスポーツから取り入れるものはたくさんありそうだな。

タテじま

1月4日

夜討ち朝駆けでもやる

 ――巨人原監督が開幕戦で上原先発を公言しましたが…

 星野監督 (開幕投手を)言えるというのはいいことだ。(上原)本人に自覚を植えつけることになる。ここ2、3年はアカンかったし、しっかりした体でキャンプに参加しろというメッセージだと思うよ。(現役時代は)オレなんかもキャンプ初日に言われたよ。阪神? (投手陣)みんなに言おうかな

 ――巨人包囲網は考えてませんか

 星野監督 そればっかり考えていたら最下位になるよ。中日時代もよく言われたんだ。巨人にだけは勝ってくれ、と。じゃ、そのために最下位になってもいいのか、と言い返すんだ。本気で巨人だけを意識したら5分5分か、1つ2つ勝つことができると思う。でもそれをしたら他のチームにボロボロになる。また最下位だ。ローテーションを無理して飛ばしたりしたらダメだろ。それに包囲網といっても最後は自分がかわいいんだよ

 ――桧山への期待は

 星野監督 桧山っていくつや。何? 片岡と同い年だって。まだ若いやないか。桧山のような生え抜きが引っ張っていかないとな。去年(中日ベンチから見ていて)、打撃で何かをつかんだと思ったよ。配球を読みだしたんじゃないか。今まで手が出ていたのに、バットが止まるようになったしな。

 ――他に気になる選手はいますか

 星野監督 左投手は誰がいたっけ。新外国人に、井川に、星野に…吉野? あいつは面白いと思っとるよ。心のスタミナがないだけや。みんな、だいたい長いイニングを見るからおかしくなる。岩瀬を見てみろ。短いイニングだからいいんだ。短いところから長くしていけばいい。それと西川もええボールを放るけどなあ。

 ――川尻の問題が残ってますが…

 星野監督 川尻なんて、おれに言わせればかわいそうだ。オレなら1週間あれば終わるよ。球団は優しすぎる。それを間違ったらアカン。(野球)協約を渡して読んでみなさいといえば終わりや。どこの会社だってそうだろう。会社の方針があるし、ビジョンがある。それにそぐわないなら、会社をやめればいい。いらない。NOだ。簡単なこと。だれも悪い方針なんて立てないんだから。会社が悪くなるような方針はたてんだろ。それだけのこと。

 ――キャンプ前に監督会議が予定されてます

 星野監督 何の話し合いをするのかね。監督歴ではオレが1番長いんじゃないの。議題は何? ストライクゾーン? 毎年言ってるじゃない。それよりハーフスイングを取ればいい。ストライクゾーンを変えると打撃が崩れるよ。でもハーフスイングを取れば、打撃に思い切りが出る。

 ――キャンプ前までにやることは

 星野監督 コーチに宿題を出しておいたけど、それを聞く。田淵はネット裏から見てきたし、島野なら敵から見てきた。阪神の中から見てきたコーチもいる。それらを聞いてビジョンを示すことが私の仕事。ミーティング? 選手は新聞を読んでるかな。少しずつ自分の考えを示していっているし、選手はわかっていると思う。

タテじま

1月3日

日本のトレードは暗すぎ

 ――補強はいくらやっても足りない?

 星野監督 星野は欲しがり、長嶋は欲しがりと言うけど、みんな欲しがりなんだ。金はいらないなんて思うヤツはいない。みんな欲張り。欲張りだから、頑張るんだ。欲しいために頑張るんだ。ネバー・サレンダーなんだ。勝ち星が欲しいから一生懸命練習する。金が欲しいから一生懸命練習する。欲張りなんだ、みんな。人に迷惑をかけて欲張ったらダメだけどな。

 ――中日時代のような大型トレードの可能性は

 星野監督 トレードに大型も小型もない。小型というのは「アイツはチームが変われば良くなるのになあ」と、そういうのが小型。大型は「ポジションを大きく変えてでも」と、犠牲が出てくる可能性もある。でも、それを考えないとチームは強くならない。日本のトレードは、あまりにも暗すぎる。報道陣にも責任がある。『出された』『出した』ではなく『生かす』『生かされる』という考え方をしないとあかん。

 ――阪神も過去には大型トレードもあったが

 星野監督 阪神は昔から大型トレードをしてるやろ。田宮、小山、江夏、田淵しかりや。(自身が中日監督時代に行った)落合の場合、戦略的に、巨人に落合が入ったらどうなるかを考えた。どのチームも勝てないぞ。あの時(の巨人)を考えてみろ。原、クロマティ、吉村、篠塚、駒田…。どこも太刀打ちできんぞ。もちろん4番バッター落合がほしいのもあった。でも、周りのチームがどこも手を上げない。阻止するのはうちしかない、俺しかいないと思った。その代わり、相当な出血は覚悟してください、と球団社長に言ったよ。案の定、牛島を持って行かれたけどな。でも、あの時の巨人は全部生え抜きだったから今とは違う。育てたヤツは強い。ただ、血は少しは入れ替えないとチームは強くならない。あんまり純血ではナアナアになる。コーチしかり、選手しかり、フロントしかり。普通の会社でもヘッドハンティングやスカウトや独立があるやろ。それと一緒。

タテじま

1月2日

40代の頃は声も、手も、足も出た…

 ――安芸キャンプの改革案は?

 星野監督 めしは朝、昼きちんと食べないといかん。それに、キャンプでも遠征先でも、食卓には最低30分は座らないと…。野球の話でもいいし、家族や車の話でもいいんや。みんな、コンビニで買いだめするから、10分くらいしかいない。だから、コンビニは禁止。

 ――安芸入りの日程も31日から30日に変更になったが

 星野監督 オレが言った。本当は1週間前に行ってもいいくらい。(キャンプインの)2月1日は、プロ野球選手にとっての元旦。正月を迎える前は、早くから大掃除や準備をするだろう? それと同じ。ミーティングや部屋割りや、準備はたくさんある。(空港での)歓迎式も(2月1日に)グラウンドでやればいい。10分くらいやって「さあ、練習や」といけばいい。

 ――メジャー移籍を志願している川尻が監督との対話を希望していた

 星野監督 そういうふうに言ってるのなら会わなあかんな。気持ちをしっかりしたら、まだまだやれる選手。きちっとタイガースに恩義を返してから「お前はそんな夢があったのか」と言われるようにならないとあかんな。

 ――明石家さんまさんらとのゴルフは楽しかった?

 星野監督 さんまは元気やなあ。きょうは2ラウンドらしいぞ。オレも40代のころは元気やった。声も出るし、手も出るし、足も出た(笑)。今はもうなあ…。何もなくても(午前)5時半に目が覚める。たまに2度寝もするけどな。まあ、1年に1回くらい、のんびりするのもええやろ。

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