巨人にやられたTOP野球
つないだ清原、ボール振らない高橋
開幕3連戦以来の東京ドームで、いささかのカルチャーショックを覚えた。最近の快進撃で、どこの球場へ出掛けても阪神ファンの声援が圧倒的に盛り上がっている。しかし、やはり東京は巨人の本拠だった。巨人に対する応援のスゴイこと…。
その巨人に対する声援が9回裏に大爆発した。1死から清水が右前打、ここまで無安打だった松井が右中間を痛烈に破る。一塁から清水がホームへ。鮮やかな巨人のサヨナラ劇に、おおげさではなく耳をつんざくような喚声が沸き起こったのだった。
巨人には失礼かもしれないが、珍しい試合だった。2―1と阪神が1点リードを奪った5回、長嶋監督は西山を3番手のマウンドに送った。このとき、左翼席の阪神ファンはどうしたか。西山を“歓迎”する拍手で迎えたのだ。にもかかわらず西山が変化球をうまく使って好投し、阪神ベンチやファンの思惑を裏切ってしまう。その後の継投(柏田―木村)もピタリと決まった。
4回、ブロワーズの一発が出て同点、矢野のタイムリーで阪神は勝ち越した。続く5回、巨人は高橋の押し出し四球で同点に追いついている。このとき、ネット裏で「今日の巨人は少し違うぞ。妙に粘り強い…」と、悪い予感を口にした人がいた。阪神OBで読売テレビ解説者の川藤幸三さんだ。
予兆はその5回の巨人の攻撃にひそんでいた。1死二塁から松井が死球を受ける。巨人にとってはこの日3個目の死球。気色ばんだ松井がメイの方へ歩み寄り、不穏な空気が流れた。幸い大事には至らず、試合が再開された直後、清原が初球を中前に運んで、満塁と好機を広げた。そして高橋の押し出し…。
「カッとなって当然の場面で清原がつなぎに徹したいいバッティングをしたやろ。それに高橋が絶対にボールは振らんぞ、という備えやった。つまりここまで阪神がやってきて好結果に結び付けてきたことを、この日は巨人がやっていたわけや」と川藤さん。TOP野球を抜け目なく盗まれて、9回裏のサヨナラ劇へとつながれてしまったゲームだったのかもしれない。
勝ちに行って落とした試合だけに野村阪神にはショックが残る黒星だった。カルチャー・ショックに敗戦ショックが重なった東京ドーム…。ま、こんなこともたまにはあるということか。
|