野村阪神TOPへの道 中日 4―1 阪神(4月28日)  

際立った選手起用
・交代の違い

層うすく、受け身の虎

 選手の起用や交代は、何よりもチーム事情を反映するわけで、ある意味では会社の人事みたいなものである。好き嫌いで行うのは論外として、目的が判然とした積極的なものもあれば、苦しまぎれのそれもある。

 「今日の試合は重要ですよ。9連戦のアタマを取られて、すぐに立ち直れるかどうか。阪神にすれば落とせないゲーム」と、本紙評論家の中西清起さんはそう位置付けた。前日と同じように先制しながら引っ繰り返される非常に“タチの悪い”展開で、阪神は大事な試合を取り逃がしてしまった。その中で、両チームに幾つかの象徴的な選手起用・交代が含まれていた。

 阪神の先発オーダー。3番平塚を6番に下げ、今岡を3番に抜てきした。「将来を考えれば今岡3番には大賛成。ただ今岡は甘い球をあっさり見逃したりするからなあ」と中西さん。平塚がスランプで「桧山が今出て来たらすぐにレギュラーや」という状態だけに、将来を見越して、というニュアンスはどうも薄そうだ。さらに新庄に代えて浜中を起用。

 中日は6回、福留が右越えに二塁打。あとはシングルヒットでサイクル安打達成である。「久慈がキャッチボールやめよった。僕は8時半か9時の男です、なんて試合前に言うとったけど、今日は出番なしでしょう」と中西さん。ところが意外なことが起きた。星野監督、7回の守りから福留に代えて久慈をショートに入れたのだ。

 「それは酷やろ、とは思うけど…この試合で個人は関係ない、優勝一直線や、という姿を星野監督が見せましたね。執念というか。積極的な交代だ、とは思います」と中西さん。中日は先発川上が6回、ブロワーズに四球を与えると左腕岩瀬に。さらに落合、宣と万全の継投で阪神を寄せ付けなかった。

 一方の阪神は6回から平塚をベンチに下げたりしたが、これはもはや目的意識とは程遠い交代であった。投手では、登録してすぐの部坂を2回投げさせ「勢いのある球で、短いイニングなら使える」(中西さん)メドは立ったが、せいぜいその程度であった。

 「積極果敢な交代と受け身のそれ。チーム事情もあるけど、それが際立った試合でしたね。会社の人事もしっかりせなアカンということですわ」。中西さんはまるで経営評論家のような口ぶりで、いささかこじつけめいた結論を出した。

  (編集委員)

99年4月29日付紙面掲載


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