野村阪神TOPへの道 中日 13―5 阪神(4月27日)  

スカッとした大敗

疑問はメイ続投

 長良川球場にやって来ると、ドラ番の草川が浮かない顔をしている。「阪神が3連勝したら1・5ゲーム差になりますね」と、うれしいことを言ってくれる。ドラ・デスクの宇佐見も「福留の守りがちょっと不安ですね」と景気の悪い顔をしている。

 6連勝の阪神と3連敗の中日。当たり前のことながら、戦う前は随分と勢いが違っていた。そんな“世間情勢”通り、阪神は2回に矢野が左へ先制の2ランアーチをかける。先発のメイは1回の第1球が142キロと序盤から飛ばした。2回1死後に山崎に対した2球目には145キロもマークした。

 3回には1点を返されたが、前半は阪神のペースで試合は進む。5回などは先頭矢野の遊撃右へのゴロを捕った福留が一塁へ高投して内野安打にしてくれる。宇佐見の不安が的中したかな、と思っていたら、この回は阪神後続なく0点。試合の流れが激変したのは、その裏だった。

 メイが中日の猛攻を浴びてマウンドで立ち尽くす。リリーフの葛西も「火に油」という以外にない打たれっぷりで、7安打を集められ一気に7点をもぎ取られて、逆転されてしまったのだ。

 「なんでメイを引っ張ったのか。ちょっと分からないねえ」。本紙評論家の森下正夫さんは、南海時代は野村監督の2年先輩に当たる。名古屋を中心に活動してもらっている関係上、今年阪神の試合を見るのは初めてだった。「阪神がどれだけ昨年と変わったか、期待を持って見に来たんだが、今日は見るべきもののないゲームだった。5回には球の力が激減したメイを長く引っ張ったのが、野村監督らしくなかった、という位で…」と森下さん。

 その後も中日にやりたい放題にされて、合計22安打、14得点を奪われた。途中から我らがトラ番キャップの木崎は、西武・松坂の投球ぶりばかりが気に掛かる有り様で、電話で「完封した」と聞くと、本当にホッとした様子だった。この大敗で1面作りは、大変に厳しい。そんなゲームだった。

 もっとも人生、照る日もあれば曇る日もある。6連勝と照りまくったのだから、1度位は曇ってもいいだろう。負けがほとんど決まった終盤であっても、坪井が2ランを打ったりして、少しだけは反発する気力ものぞかせた。連勝にピリオドを打つにふさわしいスカッとした大敗、と一応総括しておこう。

  (編集委員)

99年4月28日付紙面掲載


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