「やりたい野球」を 巨人に実践された
GT開幕戦を森祇晶氏が分析
「野村監督がやりたい野球を、巨人バッテリーに実践された試合だった」。終盤、一気に点差が開いたGT開幕戦を、本紙評論家の森祇晶さんはそう分析した。「内外高低をすべて使ったガルベス―村田真と、とにかく丁寧に、と低め1本ヤリ、しかも変化球を多投して、フトコロへの攻めを怠った阪神バッテリー。この差が終盤に表れてしまった」。
3番左翼で大豊、7番右翼で佐々木を使った野村阪神の開幕オーダーは、ある意味では大いなるギャンブルだった。ガルベス攻略のための左打線だが、大豊の守り、オープン戦20打数0安打の佐々木の起用は勇気ある決断だったろう。大豊は初回に二塁打、佐々木も8回先頭で中前打を放ち、この試合唯一と言っていいチャンスを作った。「守りのリスクなどがあっても、この打線を組んだ。その意図はよく分かるし、それなりに機能はしたと思う。しかしやっぱりバッテリーが…」と森さんは言った。
たとえば佐々木が打って1点差を追いつくチャンスを作った8回の阪神。1死二塁からガルベスは星野をチェンジアップで遊ゴロ、坪井にも同じチェンジアップ攻めで一ゴロに仕留めた。
森祇晶氏 この日の巨人バッテリーが見せた幅広い攻めを象徴するような場面だった。それに引き換え、阪神のバッテリーはおそらくミーティングで確認された通りの配球パターンに終始した。清水、高橋といった左打者に対してとにかく変化球ばかり投げた。応用がまったくなかった。そして、この2人に合計6安打、あげくの果ては4番手の福原がフォークの投げ損ないを高橋に満塁本塁打されるという最悪の結果になった。
実は森さんは開幕前からガルベスにエース薮をぶつけるのは反対だった。薮で試合を落とせば一気に3連敗という雪崩現象が起こることを懸念していたのだ。しかし野村阪神は、この部分では果敢な正攻法に出て、痛い星を落とした。
「しかし終わったことは仕方がない。阪神にすれば、あと2試合の内、1つは勝つこと。苦しい中で野村監督が勝機をどう生かすか。ベンチの思惑、意図を選手も今以上に理解してゲームに臨めば…」と森さんは言う。1―8。この完敗は長嶋巨人との圧倒的な戦力差だけがもたらしたものではない。細かい部分で修正を加えれば、やり直す機会は残されているということだろうか。
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