阪神 3―2 ヤクルト (8月3日・甲子園) | ||||
戦う監督の姿…奥田瑛二も共感
自力V消滅の危機を迎えた。春先の快進撃、現在も5割を死守する粘りの戦い。ここまで、星野阪神は確かにひと味違うたくましさを見せてきた。その根底には、星野監督の“宣言”による大きな目標があった。 「念ずれば通ず、ですよ。確固たる目標をたて、それに向かってひたすらまい進する。それが今年の阪神でしょう」というのは、愛知県出身でアンチ・ジャイアンツで知られる演技派俳優の奥田瑛二(52)である。 確固たる目標というのは、星野監督がキャンプでいきなり宣言した「優勝」の2文字にほかならない。4年連続最下位で負け犬根性が染み付いたナインに、いきなり優勝という大きな目標を突きつけた。これはある種のショック療法である。その言葉からタイガースの意識革命が始まった。 奥田は昨年、初めて念願の監督を務めた。連城三紀彦原作の「少女」の映画化で、彼はその時「海外で賞を取る」とはっきりと宣言している。映画は昨秋、公開され、不良警官と15歳の少女の不思議な純愛が話題を集めた。そして今年4月、「少女」はパリ映画祭で見事グランプリに輝き、主演の小沢まゆ(21)も主演女優賞に選ばれるという快挙を成し遂げた。 「有言実行ですよね。星野監督にもそれを感じる。感情をむき出しにして、みんなをひとつの目標に向けてまい進させる、それが監督の仕事だと思う」と奥田は言う。 変身今岡をはじめ、多くのナインが夢にまい進してきたのが今年の阪神だった。だが、その大目標が遠のきかけた今、トラ軍団はこれから何を求めて戦いを続けるのか。自力V消滅について星野監督は「戦い方に変わりはない」ときっぱり。それは、どんな状況にあっても常に上を目指して戦う集団に鍛え上げることの決意表明といえようか。 浜中4番、今岡5番。来年以降を見据えた大胆なオーダー。マウンドには今季3度目の先発の若武者・藤川。その藤川が6回を4安打無失点の好投を見せた。2度も同点に追いつかれながら、延長10回、1死一塁で新4番浜中が右中間へサヨナラ三塁打を放ってヤクルトを振り切った。2度の本塁刺殺など勝利への執念を見せたトラ軍団に、さめることのない熱さを感じた。 【安永五郎】
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2002年8月4日付紙面掲載
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