星野阪神を追う「虎劇場」

  阪神 5―1 中日 (7月9日・甲子園)

我が家で頑張りゃ再浮上は確実や

星野阪神を追う「虎劇場」

 1週間ぶりに戻ってきた甲子園。台風6号の影響で雲行きは怪しかったが、熱心なファンはこの日も続々とスタンドを埋めた。熱狂的な甲子園の応援。耳をつんざく大歓声。トラ・ナインにとって何より心強い味方のはず。ところが、今年の阪神はホームの戦績が極端に悪く、ちょっとしたミステリーになっている。

 7日まで、貯金2の阪神だが、ロードでは23勝14敗1分けで貯金9もあるのに対して、ホームでは13勝20敗で借金が7つ。この“外弁慶”現象はいったいどうしたことか。

 実は、昨年までこのホームとロードの成績は逆だった。ロードでのあまりの不振に、開幕前、星野監督は「その原因は一体なんやと思う」と担当記者に疑問を投げかけたという。「東京へ行くと、タニマチが多くて、夜に選手が引っ張り出されることが多いらしい。そのあたり、タニマチにも協力してもらわなあかん」といった配慮や、遠征先での門限を早くするといった対策まで打ち出しかけたほどだった。

 実際、星野監督は「選手に遠征の宿舎では朝飯をしっかり食え、と話した」という。そんな配慮が功を奏してか、ロードでの開幕7連勝をはじめとしてすっかり“内弁慶”は克服した。ところが、今度は強いはずのホームで大苦戦。サッカーではありえないような現象に苦しんでいるのだ。

 これには星野監督も「何で? 分からんなあ」とお手上げ。だけど、こうも付け加えた。「プロ野球の歴史を考えると、トータルで考えてホームの勝率が悪いなんてありえないこと。ロードで頑張っとけば、そのうちようなる」。

 つまり阪神の再浮上は、ホームでの頑張り次第ということ。前半戦締めくくりのホーム2連戦は、その意味でも大きな意味を持つのだ。この夜、トラ軍団は大声援をバックに序盤から攻めた。2回、平下のタイムリーと矢野の2ランで3点を先制。4回に敵失で追加点。8回には浜中の1発でダメ押し。守っては藪から金沢、バルデスとつないで逃げ切った。

 マンモスにとどろいた六甲おろし。やはりホームの大歓声は心強かった。“トラのミステリー”解消に成功すれば、もう一度、夢が見られる。

【安永五郎】


2002年7月10日付紙面掲載


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