星野阪神を追う「虎劇場」

  阪神 10―2 巨人 (7月7日・東京D)

ファンもナインも一つに…再進撃の予感

星野阪神を追う「虎劇場」

 2日分のストレスをフッ飛ばす“G倒”7点攻撃。打者11人を送った7回の集中攻撃に、編集局はW杯に日本戦以来のにぎわいになった。「これが本来の阪神打線の姿やないか」。担当局次長浅岡が、ボーナスをもらって以来、何日ぶりにかニコチンで黄色くなった歯を見せる。7回に7点。絵に描いたラッキー・セブン。それにしてもこんな胸すく快勝劇はいつ以来だろう。7月7の日は阪神ファンには忘れられない日になった。

 天の川を挟んで彦星と織姫が再会するという七夕伝説。星の夜のスタンドには、ゆかた姿の若い女性もつめかけ、決戦に華を添えた。ロマンチックなナンバー「77」を背負う星野監督にとってもゲンがいい日に違いないが、試合前のその背中はちょっぴり寂し気だった。巨人の独走ストップとセ・リーグの炎を再燃させるべく乗り込んだ東京ドームでまさかの連敗。しかも前夜は、ワンサイドに屈しただけに、重さが残ったのだろう。

 「腹が立つというより情けない気分になってしもうたよ」という言葉に実感がこもる。プロ野球前半戦を常に主役で戦い続けてきた男にとって、我慢の限界を超えた試合ともいえた。その分だけ力が入るのもこの男だ。「七夕? 今日負けたらウチの選手は親不孝モンだよ」。ラストチャンスに期する思いをこんな風に表現して、指揮官は打撃練習を見つめた。

 阪神ファンからのメールにも緊張感がにじみ出ていた。選手の皆さんへ、というハンドルネーム和代さんのメッセージ。

 「ファンは味方です。声援を負担に思わないで。たとえ監督に叱責されてもクサらないで。おびえないで。監督も阪神を変えるために必死に戦ってる。期待するから叱ってる。どうかそれを忘れないで」

 そして、阪神大好き19歳ちえさんからは「阪神が勝たないと野球は盛り上がりません。星野監督、笑顔を見せて! 火曜日の中日戦は皆で甲子園にかけつけます。NEVER×3ですよ、タイガース」

 皆の気持ちが重なっての爆勝劇。きっかけをつかんだ阪神に「7」がラッキーナンバーになったとするならば、7月、あの進撃再現も、もう夢ではないだろう。

【達野昭司】


2002年7月8日付紙面掲載


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