阪神 1―4 巨人 (7月5日・東京D) | ||||
一丸で打倒・巨人…受け継がれる虎魂
最後は1―4。もはやペナントレースの流れは巨人へと傾いてしまったのだろうか。試合前、星野監督は5・5差を「問題ない差」といった。もちろん春先のように当たり前のことを当たり前にこなしたら、という前提付きでだ。浜中のバットで奪った先取点、7回途中まで投げた先発ムーアの踏ん張り。しかし初回のバント失敗や逆転の端緒となった片岡のエラー、左の遠山が松井に浴びた一発…。当たり前のことができ、そしてできなかった。阪神が抱える二面性が露になったゲーム。ともあれ、かくなる上は2位以下が巨人を総力を結集して叩くことが、混戦にもつれ込ませる唯一の道となってきた。 「混戦」…。この魅惑的な言葉を耳にするといつも思い出す年がある。1973年のセ・リーグ。8月下旬から9月にかけて6チームが3ゲーム差の中にひしめいた。最終的には、あと1勝で優勝となった阪神が中日、巨人に連敗して、巨人がV9を達成した、あの悲しいほどに劇的だったシーズン…。 29年の歳月が流れて、再びあんなに熱いシーズンに持ち込めるだろうか。あの年と似た流れの部分もあったように思うのだが、何かが決定的に異なっているような気もする。「ツッパルときは監督が何を言おうがツッパルというのは、ややもすればまとまりを欠く阪神タイガースの選手たちに共通する点でもあった。それがこのチームのエネルギーにもなっていた。このシーズン、タイガースの金田監督は二度、選手に殴られている」。山際淳司さんの「最後の夏 一九七三年巨人・阪神放浪記」の一節。 いま、ツッパルときは何が何でも突っ張るのは、選手ではなくて、監督になった。まとまりを欠くことはなくなったが、果たして29年前ほどエネルギッシュなのかどうか…。選手気質は時代とともに変わってきたのだ。ため息が出る6・5差。だが阪神ナインは確かにまとまってはいるし、目の輝きも失ってはいない。エネルギーは尽き果ててはいないのだ。監督を殴るような選手はいなくなっても、心の奥底にタイガース魂とでもいったものが流れているのかもしれない。いや、きっと受け継がれているのだ、とそう信じたい。 【井関真】
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2002年7月6日付紙面掲載
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