阪神 1―7 ヤクルト (6月3日・千葉マ) | ||||
タイガース貯金の人気は期待の表れ
先週、ふと入った喫茶店で、ウエートレスのおばさんが、初老の男性客とタイガースの話題で盛り上がっていた。中でも話題の中心となったのが、あましん(尼崎信用金庫)のタイガース貯金のこと。 「阪神が優勝したら、7・7倍になるらしいな。100万円預けたら、770万円になるんか。お金あったら全部預けるんやがなあ。今年は間違いなく優勝するんやから」と初老客。「違う、違う。優勝したら利率が7・7%になるねんで。それでもすごいけどなあ」とウエートレス嬢。 阪神優勝の経済効果は1000億円にも上るらしいが、巷(ちまた)の盛り上がりようは、ここまでの快進撃だけでも相当な経済効果があることを実感させる。 ところで、2人の会話は大変な誤解。あましんの「がんばれ阪神タイガース定期預金 勝星77」は、阪神が優勝すれば、預け入れ時の金利が7・7倍に。2、3位で2倍になるというもので、預金が7・7倍になるわけではありません。金利0・06%として7・7倍になれば、利率は0・462%。2、3位なら0・12%。100万円預けたら優勝で4620円、2、3位なら1200円という計算になる。 利子だけ見れば、それほど大もうけできるわけではない。だけど、この超低金利時代、5月31日の締め切りまでに、実に1500億円も集まったのは、庶民のささやかな願いのなせるわざだろう。野村前監督就任時(1999年)に同様の企画が330億円だったのと比べると、星野阪神への期待は4倍近くにもなるのである。 近所の奥さんはあちこちの貯金をかき集めてあましんへ預けたそうな。以来、にわか阪神ファンになって、スポーツニュースを見まくっているという。 多くの庶民の期待通り、阪神は貯金を増やし続けて、1日までに実に17年ぶりの12にまで伸ばした。星野監督も定期預金にしたい心境だろう。この日は、ルーキー安藤が序盤につかまって1―7の完敗。連勝は4で止まってしまった。だけどまだ首位。庶民の期待を受けて、トラ軍団の熱い戦いはこれからが正念場である。 【安永五郎】
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2002年6月3日付紙面掲載
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