阪神 7―3 ヤクルト (6月2日・千葉マ) | ||||
W杯より熱き戦い目指す闘将
「サッカー? テレビは見とらん。フランスは負けたらしいな。アフリカ勢の身体能力が上回ったということかな。子供の時から裸足で走り回るというのは、やはり大きいことなんだろう」 試合前の星野監督。W杯に関しては極めてクールなコメントだった。決して関心がないわけではない。むしろサッカーが盛り上がれば、それ以上にプロ野球を熱くしたいと思うのがこの人。いま野球人のプライドをかけて戦っているというのが本当のところだろう。 試合には負けられん、それ以上に、サッカーにも負けてたまるか。指揮官のこんな思いはチームにも伝わる。故障者、負傷者が相次ぎ、主軸を何人も欠きながらの2日間の死闘。連勝、貯金12という形で実を結んだのも、はりつめた空気が大きな力になったようにも見える。 実はこの朝、編集局には読者から同じ趣旨の電話が何本も入った。王者フランスの緒戦負けを1面に、阪神3連勝を7面に掲載した本紙への苦情だ。京都市の男性(59)は「いま関西の注目はプロ野球やろ。経済を活気付けとるのも星野阪神ですよ。私はサッカーなんかに何の興味もありません」などという声だ。 ヤクルト―阪神戦の中継がCSチャンネルだけだった午後、ゲームが始まると、本紙の電話速報サービス回線は一時パンク状態に陥った。このため直接の問い合わせが編集局に入る。応対する管理部の安井は電話のそばに釘付けになって「耳が変になってきた」と悲鳴を上げ始める。読者との接点には、阪神ファンの熱さだけが届いていた。 といってもW杯はアジア初の大イベント。日本でのオープニングゲームとなれば、ニュースとしてのスケールはやはり超ド級だし、ニーズも大きい。試合後の紙面割り打ち合わせ会。サッカー1面と関連ニュース全9ページが局次長・藤本の鮮やかな仕切りでスムーズに決まっていく。運動部長内匠、プロ野球デスク国分が「せめて裏1面で阪神の4連勝を扱いましょうや」という声は、W杯の大きな波に結局は飲まれてしまった。 スポーツ紙にとっては選択肢の多さはうれしいこと。日々、読者の皆さんの声も聞きながら頭をひねって紙面を作る。この分だと当分、サッカー、野球のせめぎ合いが編集局でも続きそうな雲行きだ。 【達野昭司】
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2002年6月2日付紙面掲載
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