星野阪神を追う「虎劇場」

  阪神 3―0 中日 (5月25日・ナゴヤ)

監督の立場超えた広い視野

星野阪神を追う「虎劇場」

 野村前監督の発言に対する批判が“虎劇場”に殺到している。

 大阪市大正区の中西満代さん(56)は「前監督が今大活躍の今岡選手、藪投手についてコメントしてますね。例え去年の成績がどうあれ、星野監督と言う良き指導者を得て真価を出している選手を“裏切られた”発言は許されません。そんなに頑張ってる阪神&選手がうらやましいのでしょうか? 星野監督は以前“去年までの指導があってのこと”と前監督を決して否定せずにいたではありませんか? “良くやっている”と言えばきっと去年までの遺恨もなくなるでしょうに」。

 大阪市東住吉区の竹本まさ子さん(84)も「藪、今岡選手に対しての発言は全くいただけません。私も20年間勤務した経験がありますが、上司によって働く心が違います」とお怒りだ。

 もっとも星野監督は、そんなことにはこだわりをみせない。この日も名古屋の宿舎で報道陣と談笑。トラ番・実藤によると星野監督は「W杯のチケットはかなり高いらしいね。一生に1回のことやからなあ」。そして「オールスター戦も1回にすればいいんや。そうすれば希少価値も出る。3万人ぐらい入る地方の球場で持ち回りでやれば地域振興になるやろう」と持論を展開したそうだ。

 星野監督の視野は、阪神の監督という立場を超えてとても広いように思う。巨人との僅差の首位争いにも「大変? 戦車が100メートル先に来たら大変やけどな」と笑い飛ばし、中国・瀋陽の総領事館での領事館員の態度に激怒する。阪神の監督を引き受けたのも「阪神が強くならなければ球界が盛り上がらない」という持論のためだった。

 巨人を走らせてはならない―今年球界を盛り上げ続ける阪神には使命がある。連敗を阻止して再び活気を取り戻した。苦手ナゴヤドームでの中日戦。ムーアが鮮やか極まりない1安打完封。アリアスが13号、斉藤のタイムリー、桧山の犠飛。昇竜を抑えこんでの快勝は闘将・星野の燃える使命感がベンチに充満しているからにほかならない。

 前監督のいう多くの裏切り者が、ペナントをもっともっと熱くさせる。

【安永五郎】


2002年5月26日付紙面掲載


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