阪神 6―2 中日 (5月19日・甲子園) | ||||
ひたむきな姿にOBも満足
プレーボールから3時間42分、最後の一瞬まで大観衆の声援のボルテージは変わることはなかった。だがフィナーレは2日続けて悲鳴とため息。プレスルームに現れた星野監督は「昔の阪神を見ているようだった」と怒りをかみ殺しながらロッカーに消えた。横浜を3タテして凱旋したホームでの連敗。手負いの戦士を抱える若いチームは問題も露呈した形で涙をのんだ。しかしネット裏席には温かく見守るOB会長の眼差しがあった。安藤統男会長(野球解説者)だ。 「連敗くらいします。ミスが出たり、力が及ばないこともある。それよりもひたむきに戦っている選手たちの姿です。我々を十分に納得させてくれるものです。心から応援したくなるチームになりました」 確かに今年、ネット裏やベンチのまわりにOBの姿を見かけることも多い。昨年まで、とかく敬遠されて足が遠のいていた懐かしい顔も見かける。「何より皆が喜んでいるのは、選手たちが一丸で敵を見据えて戦っていること。去年まではベンチと戦っているような印象でしたからね」と安藤会長は続ける。 全く同じセリフは別のOBも口にしていた。出勤途上でいつも会う愛犬を連れた紳士、藤井栄治さんだ。強肩と勝負強いバッティングで60〜70年代のタイガース黄金期に活躍した藤井さんは評論家生活にも区切りをつけて、いま悠々自適の毎日。犬の散歩と阪神カードのテレビ観戦が日課になった。 「うん、毎日楽しませてもらっとるで。しびれる試合も多いな。ベンチを気にせずノビノビやっとるのが何より気持ちいいわな。ボクらの時代を振り返ってもベンチと戦うなんてことはなかったもん。やっとタイガースの本来の姿が戻ったんや」 昨秋までは、ゴルフに出かけても「阪神、一体どないなっとんねん」と周囲から問いかけられて、返事に窮したりイヤな思いのままプレーしたことも少なくなかった。「この勢いなら今年は胸を張れるな」と藤井さん。そして安藤会長も「チームの邪魔をしないようOB会は全面応援しますよ」と会員たちの気持ちを代表していた。 【達野昭司】
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2002年5月20日付紙面掲載
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