星野阪神を追う「虎劇場」

  阪神 7―2 巨人 (5月10日・東京D)

天王山なんてまだ先の話

星野阪神を追う「虎劇場」

どこまでも冷静…星野監督

 さあ決戦だ! 阪神は本当に巨人と対等に戦えるほど強くなったのか? それとも開幕からの快走は夢だったのか。トラの真の実力を占う大一番。編集局でもGT首位決戦に盛り上がった。

 「天下分け目の一戦やのお。今日は井川やろ。もろたで」と鼻息荒いのは情報システム本部長のトラキチ大関。この男、ふだんは眉間に縦じわの渋面が売りなのに、阪神が勝った時だけはきれいにしわが消える。今年、しわがめっきり減ったのはもちろんトラ快進撃のせいにほかならない。

 大関の天敵はインターネット編集長のG党・上野だ。今年はトラの勢いの前に局内では控えめで、この日も「この3連戦は1勝2敗で十分。上に立つまで大きいことは言わん」とこれは余裕の弁か。

 星野監督はそのころ…東京の宿舎・赤坂プリンスホテルのレストランに昼前に下りてきて、報道陣に囲まれた。トラ番キャップ木崎の報告によると、ランチメニューは開幕戦で4日続けたオムライス。もちろん開幕連勝の縁起をかついだもので、約20人の報道陣も同じメニューとあいなった。

 ところがこの日、星野監督がG戦を意識したのはこれだけ。巨人に関してはほとんど口を開かなかったという。「オールスターのファン投票(第1回発表)で阪神から8人も選ばれたことに批判的で“オールスターの権威がなくなった証拠や”と言ってました」と木崎。指揮官は冷静に自軍の戦力を分析している。天王山なんてまだ先の話。そういいたいのだろう。

 局内に大歓声が沸き起こったのは6回だ。2―2の同点から、アリアスが巨人・酒井から左翼2階席へ11号2ラン。胸のすく1発に大関が縦じわを伸ばした。

 巨大戦力の巨人を前にしても互角以上の戦いぶりは、もはや勢いだけでは片付けられない。前日、星野監督はこう語っていた。「力的には見劣りしない自信を持っている。どこでKOパンチを出せるかや」。その予言どおりの1発が出て、タイガースは夢の続きを見せてくれた。終わってみれば7―2の圧勝だ。天王山はまだ先、なのだろうけど、冷静に分析しても阪神は強い! その思いを深めた一戦だった。

【安永五郎】


2002年5月11日付紙面掲載


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