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場外でも高まる決戦ムード
星野監督、気持ち高ぶり…移動日練習一番乗りまだ誰もいない移動日練習前のベンチ。真っ先に現れたのはユニホーム姿の指揮官だった。「勝負はまだ先」とどれだけ煙幕を張っても、騒ぐ血は静められない。からだのどこかが勝手に宿敵に反応する。星野という男の本能なのだろう。 「エーイ、おもろない」と取り囲む担当記者たちの笑いを誘う第一声。前夜の惜しい敗戦の悔しさを、こんなジョークで吹き飛ばして、気持ちは鮮やかに最初の天王山、巨人との決戦モードに切り替わった。来る敵は倒すだけ。不敵な笑みの中にその胸中がのぞく。 阪神539勝、巨人765勝。伝統の一戦は数え切れないドラマを刻んできた。タイガースがどん底の時代も、このカードだけは意地と意地がぶつかり合って、ファンを酔わせるのが常だった。まして今回は首位攻防。歴史に新しいページを加える激闘になることは必至だろう。 当然、場外にも決戦ムードが広がっている。本紙へのファクス、メールには熱烈エールが続いている。「巨人ファンの上司をギャフンと言わせて! 星野さん」(神戸市・吉田純子さん)「片岡選手、東京ドームのヒーローはあなたです」(西宮市・高岡良行さん)そして「阪神一筋35年、優勝おめでとう」(大阪市・児島澄子さん)という気の早いものまで舞い込む。大阪で乗ったタクシーの運転手からは「週末は夜の街もガラーンでっしゃろ。そりゃ私もテレビで応援したいのはやまやまでっけど、仕事はサボれまへんわ」とこぼす声も聞かれた。 ABCラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」の道上さんも高ぶる気持ちを抑えるのに必死になっていた。 「あまり騒いだらあきません。そりゃー3連勝が一番に決まってます。仮に、仮にですよ。負けたら負けたでいいじゃないですか。首位なんかにこだわる時期じゃないです。でもねえ、今の阪神に負ける材料なんかないんと違いますか。星野さんなら大丈夫です」。 一体、どっちやねんというセリフに阪神ファンの複雑な心理ものぞく。そんなこんなの思いをうけて猛虎は午後、勇躍、東へと旅立った。 【達野昭司】
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2002年5月10日付紙面掲載
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