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阪神 7―3 横浜 (9月29日・横浜) | ||||
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野球を愛し、楽しむ広沢
41歳の来季も現役希望今季46回目の代打だった。初めて訪れたチャンス。8回無死一、二塁。燃えていた。だが広沢は心の中を見せない。無表情で打席に入り、さりげなくヒットを放った。このタイムリーがビッグイニングのスタートだった。 なによりもチームを救ったことがうれしかった。「1打席の勝負。これまで1試合4打席で育ってきただけに、辛いことはあるけど、そんなことは言ってられないでしょ」。試合後、バットケースとバッグを両肩にかけながら、広沢の足取りは軽やかだった。 62年4月生まれで、40歳をとうに迎えた。目の前に、いつもいつも引退の2文字がチラつく。スポーツ新聞を読めば、さらに現実問題として迫ってくる。早々と引退を表明したダイエー秋山。同じ年のオリックス藤井も今季限りでユニホームを脱ぐ。ダイエー長冨、近鉄の古久保、ロッテ平井と寂しいニュースが紙面に載るたびに広沢は複雑な気持ちに陥る。 「本当に寂しいですよ。ともに戦ってきた人が引退していくのは寂しい。でも僕はまだやります。来年もやるつもりですから」。本人がそう決めても、球団の判断次第で辞めざるを得ないケースだって出てくる。だが現状ではそういった勧告もないし、41歳の来季も現役で―の広沢の希望はまず叶えられるだろう。 家族を東京に残し、大阪での単身ホテル暮らし。40歳には辛い生活だが、何より広沢のすばらしさは野球を愛し、楽しみ、明るいムードをチームに与えていることだ。「この年になったら、チームの若い選手が見ているし、何とか存在感を出さないといけないですからね」とさすがに立場を理解している。 この日、横浜での今季最後のゲーム。一気の逆転劇を導いた広沢の今季の代打成績は38打数12安打、・316で8打点。押し寄せる若手の波の中、存在感を示す数字が並ぶ。引退の2文字はまだ少し先に延ばそう。 【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】
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2002年9月30日付紙面掲載
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