阪神 3―2 巨人 (9月25日・甲子園) 

選手層の薄さ克服こそ急務

グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」

FA、外国人補強より底辺強化

 夜の仕事といっても、日付けが変わって球場を出るのは珍しい。5時間1分の長い試合のため、前日、甲子園を出たのは午前0時30分を回っていた。50男はさすがにクタクタ。その日は酒も飲まずに寝た。

 優勝も決まり、お客さんもそうは入らないと思っていたら4万5000人。この日も甲子園は熱かった。胴上げに合わせ、この日のチケットを前もって買っていたファンも相当いたはずだが、それでも4万5000人だ。そのファンは確かに阪神の連勝、4位浮上に喜んだが、ベンチの中の星野監督の苦虫をかみつぶしたような顔はどうだ。

 理由? そんなものははっきりしている。巨人は優勝祝宴疲れで主力も何人か外している。先発投手も控えの酒井。どうぞ楽に勝ってくださいと言われているのに、それができない。なんとか終盤に浜中と桧山が格好をつけたが、こんな試合運びが気にくわない。監督の不機嫌な表情は正直だ。

 浜中に関するコメントを求められた田淵コーチは、その成長ぶりを認めたが、最後に「秋季練習でまた味付けする」と付け加えた。この言葉通り、残り9試合の戦いも大切だが、すでにチームとしては来季に向かっている。今年、はからずも露呈した選手層の薄さ。これを克服するのが秋からの最大のテーマだ。もちろんFA補強や外国人の補強、トレードによる充実という即効性のある方策も大事だが、底辺の強化こそ、今年の経験を踏まえた上で急務されるものだ。

 若手を中心に選抜されたメンバーが秋季キャンプに参加する。赤星、藤本、関本、ファームでは桜井、喜田らが重点選手になるだろうが、今季、これだけのチャンスを与えられながら、モノにできなかった若手には、相当の危機感、切実感を持って臨まないと、実りは期待できない。

 巨人との差を「戦力の差」と片付けるのは簡単だが、やはり1、2軍トータルの差として捕らえなければ進歩はない。しっかりした土台を作ること。停滞は許されない。

【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】


2002年9月26日付紙面掲載


[グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」 目次]
阪神 | 野球 | サッカー | スポーツ | 競馬 | 芸能 | 社会 | レジャー
Home