|
阪神 1―5 巨人 (9月23日・甲子園) | ||||
|---|---|---|---|---|
あらゆる面で巨人との差感じた寂しき夜
今夜こそささやかな抵抗を…日刊スポーツ客員評論家の吉田義男さんは黙ったままグラウンドを見つめていた。この夜はABC朝日放送のラジオの解説に入っていた。早めに甲子園に入り、試合前の練習を見た。阪神の練習が終わり、巨人の練習が始まった。しばらくして吉田さんはつぶやいた。「この甲子園が狭く感じますな」。何気ないひと言だったが、実際、そう感じるほど、巨人のフリー打撃の迫力はスゴかった。 戦う前から圧倒されていた。それがゲームで現実のものとなった。松井の強烈な2発。清原の技と力のアーチ。Vをたぐりよせようとする3発に、ただ阪神は脱帽するしかなかった。4番の差、打線の力の違い。まざまざと見せつけられた時、吉田義男さんはこうも言った。 「相手の優勝が決まる試合なんですが、意地を見せろ、根性を出せという以前の問題が阪神に横たわっている」。吉田さんが言いたかったのはこうだ。強い巨人も簡単にできあがったのではない。いろいろと騒がれながらも莫大な投資をし、あらゆる手段を講じてチーム作りをしてきた。それがやっと結果になって出ただけで、逆に阪神は球団としての方針が明確でなかった。その差が長い期間に大きな差になり、いまに至っている、と吉田さんは痛切に感じている。 ただ、そんな中でもこの夜に限っては、阪神ファンは意地に期待した。力で巨人に張り合うことができなければ、他に戦い方があるはず。それを期待した。だが、例えば2回1死二、三塁の先制機に浅井はカウント1―2からの真ん中ストレートを簡単に見送り、次のカーブを二飛。きれいに打ち返そう、という気持ちはこの状況で必要なく、思い切ってガムシャラにいくことが求められているのに、阪神の打者はそれができなかった。 優勝は持ち越され、24日にも決まる。せめてささやかでもいいから抵抗してほしい。監督やコーチが怒りを放っても、選手に伝わらなければなんにもならない。 【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】
|
||||
|
2002年9月24日付紙面掲載
| ||||
|
[グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」 目次] 阪神 | 野球 | サッカー | スポーツ | 競馬 | 芸能 | 社会 | レジャー | ||||