阪神 3―5 中日 (9月17日・ナゴヤD) 

安藤のピッチングが唯一の救い

グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」

3カ月ぶりマウンドで145キロ

 起用した監督が悪いのか、使われた選手の力不足なのか。とにかく6回と8回の守りは、見ている方が辛くなった。珍しく星野監督が早めに動いた6回裏。2点差に詰められた所で、藤川を見切り、吉野に代えた。そこで四球を与えると、今度は浅井から山田に捕手まで代えた。さらに金沢をつなぎ、8回裏には谷中。そのいずれもが、ことごとく裏目に出ては勝ち目はなかった。

 ヤクルト、巨人、そして中日と続いた9連戦の8試合目。また負けた。これで連戦は2勝6敗。借金はどんどん膨らむ。この連載も圧倒的に暗い話題が多くなる。なんとか明るい話を見つけたいが、それも叶わない。ただこの夜、ひとつだけ、安藤のピッチングに救われた。

 8回裏無死二、三塁の場面で登板した。ストレートで押し、最高が145キロ。3人を力のある真っ直ぐで詰まった外野フライに仕留めた。

 6月23日に右肩痛で登録を抹消。3カ月ぶりの一軍のマウンドだった。本人は「意識しなかった」というが、右腕の使い方が少し変わったように見えた。テークバックの際、真後ろに引くのではなく、やや右方向に上げ、そこから力のこもったストレートが繰り出された。

 「肩? まったく問題ありません」と言い、この夜の復帰内容には「病み上がりとしてはよかった」と認めた。自由獲得選手として入団し、オープン戦のころから新人王の本命と評価を受けていた。実際、シーズンに入っても、その力を見せ、ローテーションに入りかけた。

 ところが襲った右肩の痛み。3カ月の遠回りだったが、体のケアなど、改めて理解できた。たった1イニングだったが、アピールはできた。今度はリードしている展開でどんな投球ができるか、だ。それをクリアすれば当然、先発のチャンスが巡ってくる。

 安藤を含む若い選手には消化ゲームはない。残り試合はすべて適性テストだ。安藤がまず受験資格を手にした。

【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】


2002年9月18日付紙面掲載


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