華も力もある次代の大選手発掘せよ

グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」

外に出て「あの選手誰」じゃ…

 横浜に快勝した前夜(14日)。原稿をすべて送り終えて、トラ番キャップ・木崎輝三とすすきのに出た。そこで入ったジンギスカンの店で偶然、阪神の若手選手と出くわした。

 あいさつ程度で済ませ、中年2人は生ビールをあおり、ラム肉をたっぷりと腹におさめた。先に食事を終えた阪神組、「お先です」とさっそうと店を出ていったが、そのあと店のママがこちらに聞いてきた。「まあ、たくさん食べていただいたんだけど、あのお客さんたちは、何かのスポーツ選手なんですか?」。

 「タイガースの選手ですよ」と教えてあげると、ママは残念そうに「惜しいことしたわ。わかっていたらサインもらっておくのに。でも、その割に体は大きくなかったわね」。

 要するに、ママ的感覚では野球選手=デカい、のである。そこで考えたが、今の阪神の選手で名の通った選手以外で、ひと目で野球選手とわかるのはそんなにいないということ。それほど小粒な選手が多いと私は思っている。

 個人的な考えだが、ドラフトで選手を獲得する場合、(1)スピードボールを投げられる(2)スイングスピードが速い(3)足が速い のどれかの特徴が顕著であることが絶対条件で、さらに言えばスケールの大きさがポイントと思っている。

 ここ数年、ドラフト補強に関していえば、それほど成功しているとは思えない。ようやく井川、浜中、関本らが育ってきたが、失敗例も多々ある。そのあたりに関して球団上層部にたずねるとこんな答えが返ってきた。「今年から球団の方針を明確にしていく。まず総合的な力を最優先するが、大きな特徴を持った選手に着目していく。さらに言えば地元選手を優先したい。関東の選手の力がBランクで関西の選手がやや落ちる程度なら、関西の選手を指名していく」。

 今、阪神というチームは成長期であり、目の前の成長は星野監督に託せばいい。中長期の戦略はフロントの責務である。今、甲子園は高校野球に燃えている。果たして11月のドラフトで阪神がどんな戦術を示してくれるのか、楽しみにしている。

【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】


2002年8月16日付紙面掲載


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