阪神 0―3 横浜 (8月13日・札幌D)

8月半ばで「よく頑張っている」が…

グイッと搾りたてコラム「ナマ虎」

例年なら“キナ臭い話題ばかり”が常識

 イヤな予感がそのまま当たった。コラムスタートが札幌。「またええ所からスタートするんやな」と編集局の連中からさんざん嫌みを言われたが、北の大地の快適さは、タイガースの不甲斐ない戦いで消えてしまった。

 昔から札幌での試合は弱かった。私が担当しているころ、円山球場時代も不可解な試合ばかりで、当時はやった細川たかしの「北酒場」ならぬ阪神「北墓場」などと見出しがついたものだ。思いもよらぬエラーが出たり、凡ミスが続いたり、阪神には鬼門と呼べる土地。球場がかわっても、私の持っていたイメージは10年以上経ても同じだった。

 横浜グスマンに2安打だけ。正直、完全試合をやられると、記者席で思った。それほど、グスマンはスピードがあり、キレもあった。さらに阪神打線の非力さ。相手がA級のピッチングで、こちらがC級の打線なら、これぐらいの差が出て当然。よく「完全」を食い止めたものだ。

 突然ですが、実は昼間、大通り公園を散歩して、札幌の野球ファン20人にアンケートしました。札幌は巨人ファンが多く、20人中16人はG党で、阪神ファンと答えたのは3人。あと1人はヤクルトだったのだが「ここまでの阪神の戦いぶりをどう思う?」に20人すべてが「よくがんばっている」と答えている。

 8月半ばで、よくがんばっているなんて反応が出ること自体、珍しいことだ。ここ数年、8月を迎えるころは常に指定席の最下位。グラウンドから目が離れ、マスコミはストーブリーグへ流れていくのが「トラの常識」だった。だからたった1とはいえ貯金があり、Aクラスに踏みとどまっている現状、試合に集中できることが私には新鮮に感じる。

 2安打の完敗。試合後、選手が引き揚げるところを見た。押し黙ったまま、その表情から何も感じることができなかった。「この打線だから」と、私は仕方なしと思っている。でも選手も同様の思いなら困る。あと43試合、しっかりと「阪神」を追っていきたい。

【編集委員・内匠宏幸(たくみ・ひろゆき)】


2002年8月14日付紙面掲載


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