ニラみきかす島野、おおらか田淵

星野への軌跡

両コーチに大きな比重

 キャンプが目前に迫ってきた。24日にはほとんどのコーチ、選手が沖縄入りした。安芸ではなく暖かい沖縄でのスタート。毎年そうだが、気が引き締まる時を迎える。

 星野監督を支えるコーチ陣の顔ぶれが大きく変わった。本当に熱いスタッフだ。だから巷ではいろいろ言われているらしい。「コーチ陣が熱くなりすぎて衝突するのでは」なんてことも耳に入ってくる。そうなったらそれで構わないではないか。現場コーチの激論、大いに結構。それほど熱く考えていたら、そうなることだってある。

 それにしても星野監督のコーチに対する考え方は徹底している。ノムさんもそうだったが、コーチに全面的に「任す」勇気を持っている。責任はオレが取る。だから思い切ってやれ、だ。昨年1年、試合後のミーティングのなさには驚いた。ここはノムさんとは正反対。星野監督は試合が終わると、汗を流して、着替えを済ませ、さっさと帰る。その早いこと。ミーティングは数えるほどしかなかった。

 それだけコーチは大変だ。特に今年、個性派を束ねる島野ヘッドと田淵コーチにかかる比重は重い。島チャンは私が広報になった同じ年に阪神のコーチになった。いきなり横浜で事件(審判に暴行)があったが、あの頃は気も短くて、熱さを表に出すタイプだった。それが昨年、また阪神に戻ってきてくれて、感じたのは「島チャンも丸くなったな」という点だった。滅多に怒ることもなくなったし、逆にそれが不気味で選手にニラみをきかす。

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 その島チャンと正反対が田淵で、大らかな性格がチームを和ませる。ただああ見えても繊細なところがあり、星野監督に気を遣っている。2人の時は何でも言い合える親友で、チームの中で数少ない腹を割って話せる間柄だが、グラウンドに出れば、一切私情をはさまない。それでこそ関係が成り立っているわけだ。

 この2人には本当に星野監督をうまくサポートしてもらいたい。「星野の考え」を知り尽くすだけに心配はないと思うが。やはりコーチがどんどん引っ張っていくチームは強くなっていくはずだ。

<写真=おおらかさと繊細さを併せ持つ田淵コーチ(左)と、丸くなった島野ヘッドコーチ>


 本間勝(ほんま・まさる)1939年(昭14)5月1日生まれ、63歳。愛知県出身。中京商から58年、阪神に入団。60年5月15日の巨人戦でプロ初勝利を挙げ、同年13勝をマークした。66年に西鉄に移籍し、67年のオフに現役引退。実働10年で216試合に登板。28勝38敗、通算防御率2・86.引退後、新聞社に勤めスポーツ記者を経て、阪神球団に勤務。広報担当として活躍。名物広報として阪神の激動史に携わってきた。



2003年1月25日付紙面掲載


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