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川藤役は八木…精神面でも切り札に
もっと前に、もっと発言を!!今季はまず間違いなく優勝争いできるでしょう。かなりの補強を行い、他球団との力関係も優位に立てる。あの85年以来のV。私も大いに期待しているが、あの年、貴重な戦力になったのが川藤幸三だった。 戦力にもいろいろある。川藤の場合は代打でたびたび勝負強さを発揮してくれたが、それ以上に大きかったのはその存在感だった。生え抜きのベテラン。いるだけでベンチに安心感が生まれた。若手とベテランをうまくまとめ、チーム全体にいつも明るさを与えてくれた。これが大きかった。 例えば遠征に出て、負け試合の帰り。バスに全員が乗ったところで、マネージャーが明日の予定を伝える。「朝の食事は9時までに。移動は11時に出発です」とか。負けているから、選手はただ黙って聞くだけ。ところがそれから2分後に、川藤が声をあげる。「マネージャー、今何か言ったか。出発は何時や」。毎度、毎度これを繰り返す。マネージャーが「また川サン、聞いてなかったんですか」とやる。これで車内がドッと沸き、笑いが生まれる。負けたショックから解放される。 川藤と飲みに行った時、こうたずねた。「わざとあんな風にふるまってしんどくないか」と。すると川藤はこう答えた。「あれもチームのためですわ。別に分かってもらわなくてもいい。ワシらしくやっているだけですから」。 確かに85年はまったく暗さはなかった。常に明るく、前しか見ていなかった。それをサポートしてくれたのが川藤だった。 今季、そういった存在になってほしいのが八木です。生え抜きの最年長。代打稼業は川藤と同じだが性格はまるで違う。おとなしいというのか、やさしいというのか。だが、もうチームの事に関して、どんどん発言していい立場だし、もっと前に出てほしい。 川藤のようになれ、とは言わないし、それは無理だろう。ただ側面からチームを支えてもいいキャリアと重みが八木にはある。代打の切り札として、今季も大きな仕事が待っている。それをこなして、なおチームの精神的な支柱に。八木がそうなれば、優勝をグッと手繰り寄せることができると思う。
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2003年1月22日付紙面掲載
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