阪神 18―11 広島 (5月3日・広島) | ||||
“動の仙一”と“静の浩二”認め合う2人の特徴出た試合広島市民球場は狭い。両翼91・4メートル。詰まっても力でもっていける球場である。風も打者に逆風になることはまずない。両チームで8本。乱打空中戦は5本で6点の広島に対し、3本で8点の阪神が制した。 まさかこんな展開になるとは。佐々岡と井川。エースの投げ合いの予測は崩れた。そのたびにテレビに映るベンチの2人の監督の表情は対照的であった。三塁ベンチの星野監督は目を吊り、叫び、時には微笑む。一方、一塁ベンチの山本監督は腕組み、黄色のサングラスの奥にある目はジッと動かないように見えた。 岡山と広島。隣県に生まれた2人は東京で出会い、大学時代から友情を育んできた。プロに進んでも、その関係は太く、強くなった。なぜ? 理由のひとつは対東京の意識が同じだから。現役時代、巨人に対して2人は強烈に力を発揮した。それは監督になった今も変わりない。 「浩二のバカヤロウ。3つも(巨人に)負けやがって」2日、星野監督は冗談まじりで山本監督を皮肉った。それを一番悔しく思っているのは、当然、山本監督本人だ。星野監督のようにじょう舌ではない。目立つ言葉もない。86年、40歳でリーグ優勝したシーズン、腰の痛みを和らげるために自転車のチューブを腰に巻きつけて耐えたミスター赤へルは黙って戦っている。 ただ星野監督のことなら口を開く。「セン(星野監督)はいいことを言うよ。アイツが言うと説得力があるもんな」。山本監督が新聞を読んで納得したのが、阪神が7連勝でストップしたヤクルト戦の試合後の星野監督のコメントだった。神宮のスタンドからメガホンが投げつけられた事に「何がファンだ。まだアホどもが物を投げよる。気にいらん」とやった。 「ああいうことが記事ででるとファンにも効き目がある」。素直に誉めた。逆に星野監督も山本監督の適切な処置を認めたのが、ロペスの前田への暴行事件―謹慎。「キ然と対処した浩二は正しい」と言い切った。 認め合う2人が特徴を出し切った雨中の戦い。大差がついてもあきらめずに食らいつく広島に、改めて浩二のチームを感じ取ったはずだ。仙と浩二。ライバルがいることはすばらしい。 【内匠宏幸】
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2002年5月4日付紙面掲載
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