阪神 10―5 広島 (4月25日・倉敷) | ||||
故郷のファンへ厳しいマナー注文メガホン投げ込むなら倉敷には「もう来んぞ」アリアスが3本塁打を放って逆転。故郷倉敷のスタンドに詰め掛けた2万4000人ファンに勝利をプレゼントした。マスカット球場正面には星野監督の姿をひと目見ようと数百人のファンが待つ。だが、報道陣を従えて出てきた星野監督は厳しい表情だった。「次投げ込んだら、もう来ないぞ。そう書いといてくれ」。試合中、黄色いメガホンが何度も投げ込まれた。マナーの悪いファンに反省を促すためのコメントだ。初めて負けた7日のヤクルト戦で、神宮球場三塁側グラウンドに投げ込まれたメガホンを思いきり蹴った姿が思い浮かぶ。 最初から最後までこの日の主役は星野監督だった。試合開始の3時間前には球場最寄りの山陽本線中庄駅から黄色いメガホンを手にしたファンの列ができた。試合開始直前になっても入場券を求める列は500メートル近くあり、球場周辺は甲子園がそのまま西へスライドしたような熱気に包まれていた。 黄色一色に染まった球場のグラウンドへ星野監督が姿を見せたのは、阪神の練習が始まってから30分近くたってからだった。球場入り後は訪問客の対応に追われていたのだ。背広姿の4人組、5人組が次々と監督室へ笑顔で入っていく。後援会関係者、昔からの知人、友人…。顔の広い星野監督ならではの光景だ。 阪神の監督に就任して初めての地元公式戦。3月に2度オープン戦を開催し、ある程度のフィーバーは予想されたが「これほどとは…」と球団関係者も改めて星野人気に驚いていた。 凱旋を祝うようにマスカット球場での秋季キャンプ開催も発表された。岡山県側はブルペンの増設などの施設改造も視野に入れている。石井正弘岡山県知事(56)は言う。「正直言って、こんなに早くいい返事がいただけるとは思っていませんでした」。即断即決。指導者には欠かせない資質だ。 「そんなん、季節感のない話題やんか」。これまでキャンプ地移転に関してはあえて触れなかった。それは春のキャンプで世話になった安芸の人々に対する配慮にほかならない。たとえ秋だけでも去られる側がどんな感情か。それがわかるのも大切な指導者の条件だ。 地元倉敷を誇りに思うからこそマナーの悪いファンに対して怒りがこみあげる。オープン戦以来、約1カ月ぶりに訪れた故郷は、最後に少し後味の悪さが残った。 【国分泰佐】
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2002年4月26日付紙面掲載
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