阪神 1―1 中日 (4月18日・ナゴヤD) | ||||
和をもって尊しとなす仙一政治チームは当然、マスコミも巻き込み…古巣中日との死闘は延長12回1−1の引き分けで幕を閉じた。終盤の走塁ミスやバントミスが大きく響き、阪神打線は追いつくのが精いっぱいで勝ち越すことはできなかった。ベンチ入りの野手全員が出場した総力戦。結果は実らなかったが、これも一丸野球で勝ち進んできた星野阪神らしい姿だったかもしれない。 燃える男、闘将…そんな言葉から独裁的なイメージの強い星野監督だが、実は驚くほど協調性を重んじるリーダーでもある。例えばチーム内の決め事のほとんどは首脳陣の合議制。「みんなで決めて、ダメならみんなで責任をとればいい」。助っ人選びも管轄下の担当コーチ全員でチェックし、その声を集約して合否を決める。星野監督が就任してから獲得したバルデス、ホワイトもこの方法を用いた。また選手に関することは桧山選手会長を通してコミュニケーションをはかる。それは周囲への遠慮や迎合ではなく、手柄も責任もみんなで分かち合おうという一丸精神の表れだ。 一丸の輪は現場だけにとどまらない。阪神再建に関して、就任直後に選手だけでなく担当記者にも再建リポートの提出を要請した。あの野村前監督が3年かかって再建どころか3年連続最下位の成績しか残せなかった原因は何か。外野からの情報だけでなく、マスコミも含めた阪神内部の本音の声も収集した。「みんなで阪神を強くしようやないか。頼むぞぉ〜」。久万オーナーから三顧の礼を持って就任要請を受けた新監督はふんぞり返らなかった。そんな指揮官の情熱に、各社からの再建リポートはあっと言う間に集まった。 気になる内容だが、これに関して星野監督は「言うべきもんやない」と一切口を閉ざしている。仕方なく、逆に提出した方を取材してみた。これが各社各様でなかなか味がある。 ある社は編集局長が乗り出して数ページに渡る大再建論を展開し、ある社は記者から見た選手の性格や長所短所を克明に記したという。外国人補強やドラフト補強の失敗を説く社もあれば、野村前監督が「だって親子だも〜ん」と開き直ってカツノリを重用したことが選手のモチベーション低下の原因となったと論じている社もある。十人十色の再建論。中には「藤村富美男の墓参りをせよ」と論じた社もあった。 星野監督がどのリポートをどう参考にしたのか想像でしか分からない。しかし指揮官がお山の大将だったら、前代未聞の再建リポートはなかった。一丸精神を重んじる姿勢。これが簡単に3連敗しない今の猛虎の勢いと粘りを支えている。 【阪神担当キャップ=木崎輝三】
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2002年4月19日付紙面掲載
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