星野阪神の挑戦

    阪神 1―0 横浜 (4月12日・甲子園)
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ナインは震災遺児のあしながおじさん

募金にも協力…19日はG戦招待

 神戸市東灘区に「レインボーハウス」と呼ばれる建物がある。ここに集う少年少女たちは今、阪神の歴史的快進撃の話題で持ちきりだ。「みんな『すごい』とか『うれしい』とか話し合っていて、タイガースの活躍に励まされています」(同関係者)。95年阪神大震災の遺児たちが心のケアのプログラムを受ける施設。13日の話題は、井川の熱投とアリアスの決勝弾でさぞかし盛り上がるに違いない。こうした活動を支援しているのがNGO「あしなが育英会」(本部・東京、玉井義臣会長)。虎ファンならご存じだろうが、今季から選手のヘルメットにその会の名称を記したステッカーが貼られている。

 開幕戦前、星野監督は担当記者を集めてこう説明した。「阪神はテレビへの露出も多いし、注目度も高い。何か社会貢献ができればと思っていたんや。選手会も球団も賛同してくれたし、どうだろう」。もちろん、こうしたボランティア活動は球界では初めてだ。「阪神からやっていこうと思ったんや。そして広がっていけばもっといい」。その口調は熱かった。

 星野監督自身、母子家庭で育った。まだ母親のお腹の中にいる時、父親は他界している。「オレも母子家庭の子。気持ちは分かる。恵まれない人に少しでも役立ちたいんや。勉強したくてもできない、スポーツしたくてもできない子どもたちのためにな」。これが発案の背景にあった。

 4月9日からは阪神が窓口となり、この活動に賛同してもらえるファンからの募金活動(郵便口座名・阪神タイガースあしなが募金 口座番号・00990−9−330177)も開始している。球団ホームページに紹介したところ、初日から予想を超える反響があった。「告知した初日に1000円から1万円までの間で数件の募金がありました。ありがたいです。このままチームが好調で募金も増えていけばいいのですが」(岡本勇人総務部次長)。阪神が快進撃を続けることでホームページへのアクセスが増え、そこで活動を知ったファンが寄付を申し出てくるのだ。

 1枚のステッカーから始まったボランティア活動は、さまざまな広がりを見せている。4月19日の巨人戦(甲子園)には、レインボーハウスに集う約20人の遺児を招待する。試合前には桧山選手会長からチャリティー基金が寄付される予定だ。金銭的援助だけでなく、そのステッカーを貼って奮闘する虎ナインの姿に、遺児たちはいやされ、励まされ、勇気づけられる。そんな彼らの声援を、今度は選手たちがエネルギーにする。究極の好循環だ。

【阪神担当キャップ=木崎輝三】

星野阪神の挑戦

2002年4月13日付紙面掲載 


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