星野阪神の挑戦

    阪神 8―1 広島 (4月9日・甲子園)
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「マスコミも戦力」姿勢変わらず

昨年まで立ち入り禁止区域が取材OKに

 地元甲子園での開幕戦は六甲おろしが響き渡って終了した。当日券を求めて並んだ徹夜組も、さぞかし満足して帰路についたに違いない。ファンだけでなく、この日は報道陣も大フィーバーだった。テレビスタッフ、カメラマン、記者を含めた数は約200人。甲子園球場の上空には取材用ヘリコプターまで旋回した。 「すごい数やね。開幕の東京ドームもすごかったが、甲子園の開幕も負けてない。ベンチに座っていたら報道陣のお尻で練習が見えないね」。ベテランの本間広報部付部長(62)も驚くしかなかった。開幕戦とはいえ、平日の広島戦でこれほどの報道陣が集まることはここ数年なかった。すべては強い猛虎への期待の表れなのだ。

 通常、報道がヒートアップすればするほど規制が生まれる。トラブルの発生を未然に防ぐためにも、管理監視の目は強くなる。しかし星野阪神に限って、これは逆。そこに星野イズムのすごさがある。

 実はこの日から試合終了後の甲子園球場内で新たな取材エリアが設けられた。これまで関係者以外は立ち入り禁止区域だった立体駐車場が、条件付きで取材OKとなった。昨年後半チームが低迷。野村前監督の夫人による脱税疑惑報道などが過熱しはじめたころ、現場の意向でロッカーから駐車場への裏通路が作られた。これにより試合終了後、選手が1度ロッカーに入れば2度と報道陣と接触することなく駐車場へ抜けて帰宅できるようになっていた。今年になって、報道陣の方から「元に戻すか、取材エリアを検討してほしい」との要望が出され、球団も再検討。セキュリティーの問題から当初は難色を示したが、星野監督の強い意向でOKに変わったのだ。

 「担当記者も戦力」。就任直後から星野監督は言いつづけてきた。規制するよりも緩和、対立よりも協調で報道陣との関係を築いてきた。その信念は開幕して大フィーバーを起こした今も変わらない。「選手を責めるな。オレを責めろ、プレーを責めろ」。「非難はするな、批評ならいくらでもしてくれ」。これが星野監督が常々口にする注文だ。

 熱狂的ファンは大きなプレッシャーにもなるが、これをエネルギーにした時のプラスは計り知れない。そのファンと現場の間に介在するのがマスコミだ。グラウンドとスタンドが一体となるためにも、星野監督はマスコミとの距離≠ノ気を配る。地元甲子園での圧勝劇には、そんな星野イズムが少なからず関与しているような気がしてならない。

【阪神担当キャップ=木崎輝三】

星野阪神の挑戦

2002年4月10日付紙面掲載 


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