2002年オープン戦  阪神 3―0 オリックス(3月3日・倉敷)

never never surrender
星野チェック
一枝修平

10勝はいけるムーア

井川、トップクラスの投手に成長

 ――まずは新戦力。ムーアとバルデスだが

 一枝 ムーアはいい。スピード、制球、変化球、投球のリズムのいずれも合格。相手のオリックス打線が格落ちだけに結果は参考記録だが、ローテーションに入って10勝級の左腕というのが私の印象だ。バルデスも面白い。1 イニング ならあの変化球は効果がある。今後、調整が必要だが、ボールが低めに集まれば構想通りにストッパーも十分任せられる。

 ――井川は

 一枝 言うことないね。4回、5回はまったくの井川ペース。少々、状態が悪くても抑えられるトップクラスの投手になってきた。心配なしやね。

 ――打つ方ではアリアスに初タイムリー。それも課題とされていた外側の変化球についていってのもの。「4番定着は?」と思っていたが一安心しても…

 一枝 キャンプ以来、臨時コーチのオマリーにずっと指導を受けてきた効果が出始めたんじゃないかな。セ・リーグの投手は右打者の外に逃げていくボールをいかに有効に使うか。それに対応する意識と技術を徹底的に指導されていた。タイムリーを打ったスライダーもそれまで粘った末に厳しいコースをついていって左翼線に運んだ。今は対応できることを見せておくことも重要だが、いずれにしても大きな収穫だ。

 ――他球団と比較しても遜色のない4番と言えるのか

 一枝 選手の層が厚くなっている。坪井にしても桧山にしても他球団でも十分レギュラーを狙える選手がチーム内で争っている。4番を含めた打線で見た場合、関脇から大関を狙う位置につけたと言える。

 ――エッ大関獲り? それなら優勝争いに加わるのも当然

 一枝 ただ星野野球が今後、チームに完全に浸透していかないと…。

 ――5回2死。浜中が二盗を試み相手が落球しているのにタイミングが完全アウトだからさっさとベンチに戻ろうとしてむざむざアウト。中日時代の星野監督なら一発レッドカード。即交代のシーンがあった

 一枝 昨年までのタイガースの悪い部分が出たプレー。自分の意志でプレーしていれば、たとえタイミングが完全にアウトでもなんとかしようと必死のスライディグを試み、ボールが落ちていないかを絶対に確認する。あっさり引き下がってくるのは「やらされている」という意識が残っているからじゃないかな。昨年まで選手はコマとして扱われてきたがその名残とも言える。ナインすべてが単なるコマではなく、意志をもった「戦士」に生まれ変わらないとシーズンを通しての上位争いは難しい。



2002年3月4日付紙面掲載 


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