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なにごとも常識家で周到
川尻「開幕2軍」は計算の上おふたりからお尋ねの手紙をいただいたので、その返事を書くことにしました。1通は大阪市阿倍野区の58歳の男性から。東京ドームでの開幕戦に石原慎太郎東京都知事が観戦に現われたが、なぜ大阪のチームである阪神ベンチに先に顔を出して星野監督を激励。東京のチームである巨人原監督への励ましを後回しにしたのか、というお尋ねだ。 実は石原さんの観戦は開幕日の1週間くらい前から決まっていて、知人を通じて星野には「臨時講師を頼まれたキャンプには行けなかったが、東京ドームには顔を見に行く」という話がきていたようだ。ところがここからが星野の気配りだろう。 石原さんは「おれは休日に一私人として野球を観に行って、旧知の星野監督に会ってガンバレというだけだ。余計な心配をしてくれんでもいい」といっていたのだが、星野の方からむしろ石原さんの方にこうお願いをしたということだ。 「それはそうでも石原さんはやはり東京都知事という立場にいる。その都知事が超満員の東京ドームにやってきて、地元の巨人の原のところにも寄らず、阪神の監督のおれのところにだけ激励に現れたんじゃあ、周囲の人間の格好がつかない。ここは石原さん、プライベートな単独行動としても原のメンツもたててやってください」 かくて都知事はまず三塁側ベンチ裏のスタッフルームに星野を訪ね、しばし歓談のすえ、それから一塁側ベンチ裏の原のもとへ顔を出し、こちらもガンバレとやったのだそうだ。そんな順番などはどうでもよいのだが、あえて「真相」といえばこういうことだったのである。 かつてオーストラリアの旅先で出会ってから、断続的に続いている石原さんと星野との交友。年代も立場も違うが論客で、改革派の闘将というイメージや雰囲気は似通っていなくもない。ふたりの周辺によると、オフにはゆっくり顔を合わせてテレビのトーク番組でも、雑誌の対談でもやろうという話にもなっているようだ。 もう1通は神戸市の42歳の男性読者から。こちらは1軍メンバーから川尻がもれて開幕から2軍にいるが、星野批判でもやってほされているのか。トレード要員にでもされているのかというお尋ねだが、そうした心配はないでしょう。厚味を増した投手陣。殊に先発投手陣が豊富な中で、力量の判断のうえからの選別としかお答えできません。 そして星野「心配ないよ。長丁場の戦いだ。きちんと活かして使っていくために、コーチがちゃんと目標を与えている」という返答を付け加えさせていただきましょう。人事は流動的なもので正確にお答えすることはいつも難しいところがあるのだが、なにごとも常識家で周到な星野のことだ。神戸の男性の方も遠くからでも信頼をおいていていいのではないでしょうか。 今夜も快勝、阪神は開幕4連勝でした。 (敬称略)
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2002年4月4日付紙面掲載
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