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阪神 9―7 巨人 (3月31日)
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開幕15番勝負
一枝修平

今岡のひたむきさに見えたチーム一丸

2軍暮らしで精神的に強くなった

 こんなことを言うのは少しはばかられるが、今日は正直うれしい。今岡や。3回に試合の流れを一気に変える3ランを放って勢い付き4安打で5打点。3回は0―1で1死一、三塁だけに、盗塁してから打て、とか右打ちせえとか、いろんな条件が課せられる場面だった。それを初球から積極的に強く振って出て3ラン。

 おそらく今岡は自分の気持ちを整理して打席に立っていたと思う。6回の二塁打も自分の責任で走者を返すという覚悟みたいなものが感じられた。下積みを経験して精神的に強くなったところが、打撃にも表れていた。ヘッドを回転させる理にかなった本来の打撃フォームに戻っていた。キッチリとバットを振り切れていた。個人的にはセカンドは今岡しかいない、とずっと考えていたし言ってきたが、それを証明してくれる働きやったね。

 ◆状況 今年のキャンプが始まって間もない頃だった。野村監督は今岡に対して手厳しい言葉を口にした。「今岡はな、オレと同じなんや。いくら一生懸命にやっていても、必死でやっているようには見えん。オレもそうやった。しかし、だからこそ余計一生懸命にやらなアカンのと違うか。オレはそう思ってやってきた」。阪神の期待の星を、キャンプ最後まで室戸の2軍キャンプに“追放”したままだった。そんな男が確かにひと皮むけて戻ってきたのだ。この日の4安打5打点の活躍は、どこから見ても、涙ぐましいまでのひたむきさにあふれていた。もちろん今岡だけではない。効果的な一発を飛ばしたクルーズ、何とか巨人の逆襲を食い止めた投手たち…みんなが1つの白星を目指して必死に戦った。

 ◆一枝 ハンセルがKOされても、西川、伊藤、葛西、遠山といった中継ぎ陣が闘志をみなぎらせて立ち向かっていった。伊藤は高橋由に打たれて1点を失ったが、あれは計算づくの失点。直後の松井を1球で三邪飛に仕留めたやろ。あの局面で松井に平然と向かって行った勇気がピンチから逃れ、チームに白星を運んだ。投手陣ではプロが働いたゲームだったね。投球の組み立てができる人たちが、要所で気持ちをこめて投げて巨人を倒したんや。この白星はこれから先のことを考えると価値があるように思うね。

(構成=井関真)


2001年4月1日付紙面掲載 
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