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阪神 5―2 ヤクルト(8月10日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
中西清起


連載目次

進撃は「クリーンアップ固定」効果

強み「枝葉の用兵」自在に

 何から何まで、全ての策が的中する。そら恐ろしいばかりの進撃でヤクルト3タテ。神宮の対ヤクルト戦3連勝は12年ぶりの“偉業”だそうだ。

 中西清起(日刊スポーツ評論家)「年に何回かのゲームでっせ。ここまで策が当たるというのは…。ベンチの計算が次々に的中。恐れ入りましたというしかありまへんわ」

 先発メンバーから和田、塩谷、吉田剛を外して、左の田中、根本、星野修を登用した。右の3人が当たっているだけに、オヤッと思わせる用兵。

 中西清起「川崎の武器は右打者の内角をエグるシュート。右打者にとっては脅威の球でも、左打者にとっては逃げていく球だから、それほど苦にしなくて済む。さらに川崎が降りて左が来れば、八木、和田、塩谷ら代打の層は分厚いなんてもんやないですからね。で、計算通り左打者が主となって、川崎から3点取って7回で降ろした。左の松田が出て来ると、8回には代打で使った塩谷がチャンスを作って、八木が試合を決定付ける2ランですからね。ベンチの思惑と選手の働きが、100%かみ合ったわけです。もちろんここまで打線をいじれるのはクリーンアップが固定されて安定しているからです。幹となる大黒柱がドッシリしているから、枝葉の部分を自在に操れる」

 打線だけではない。6回まで副島の2発だけに抑えていた川尻を7回からは惜しげもなく代え、得意の継投策に打って出た。それもまた的中。

 中西清起「川尻は余力を十分に残していました。副島にはスライダーのタイミングが合っていたから7回はスパッと西川に。ぜい沢極まりない交代ですが、救援の西川、伊藤、遠山、それにこの日は少し手間取ったけど葛西も万全やから、こんな継投もさりげなくできるんです」

 さて勢いを十分につけて、11日からは大の苦手ナゴヤ・ドームで中日3連戦、さらに巨人戦が待っている。

 中西清起「ぜい沢ついでに言わせてもらったら、問題はここからなんです。中日戦は先発が非常に手薄な状態になる。予想すると、中込、ハンセル、井川…といった順番。この先発陣は6回まで投げてくれたらいい、という感じでしょう。そうすれば、後は先に挙げた4人と福原まで控えているわけですからね」

(構成=井関真編集委員)


2000年8月11日付紙面掲載 
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