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広島 9―6 阪神(8月5日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
広瀬叔功


連載目次

4点差での伊藤投入に疑問

今季50試合目…働き頭つぶれる恐れ

 9回先頭和田が左翼席へ一発を放った。3点差までは追い詰めたけれど、序盤の星野伸の崩れを、取り返すまでにはいたらなかった。2回に失った「6点」は余りにも重く、結局は6―9。ほろ苦さが残る敗戦だった。

 広瀬叔功(日刊スポーツ評論家)「星野伸の最大の特徴は同じ角度から直球、カーブ、フォークが繰り出される所。球は遅いけれど、球のキレがあれば、打者はなかなか打ち込めない。ところがこの日は肝心の球のキレがなかった。広島打線がバットを振り回さず、両脇を締めた形でセンター返しに徹したところで、攻略は時間の問題やったな」

 1回、3番町田が102キロのカーブを強振して三振に倒れた。広島が苦手とはいえ、ここまで対星野伸10打数5安打の東出、8打数6安打の西山が出場していないだけに、星野伸が手玉に取りそうな予感はあった。だが、広島はこの町田の姿を見事に反面教師としたのだった。

 広瀬叔功「2回になるとコロッと変わったやろ。町田の三振をヒントにしたのと違うか。みんなが脇を締めてセンター中心に打ち返して行った。こうなれば、星野は苦しい。球のキレも乏しくて、変化球も見極められる。しかも星野に対してチーム打率も3割以上をマークしている広島はカモ意識を持っていたからな」

 もっとも細かい点での破綻が、傷口を広げたのも事実だ。2回連打の後に塩谷が併殺コースに飛んできた三ゴロを失策したのが、大量点への発端になった。さらに金本の左犠飛で失った6点目も、その後の展開に微妙に響いた。

 広瀬叔功「技巧派の時は守りが生命線なのに、そこが乱れてはどうしようもない。6点目を失った坪井の返球。坪井は確かに肩が強い選手ではない。しかし山なりで直接バックホームしていたら、アウトにできる確率はほとんどないよ。あれは俊敏にカット・プレーで処理したら少なくともクロス・プレーにはなっていた」

 4点差だった8回、阪神は5番手に伊藤を使った。彼は今季50試合目の登板。

 広瀬叔功「大丈夫かいな。伊藤をこんな場面で使って…。年齢的にもそう無理はさせられんのと違うか。まだこの試合をアキラメていないことを示したと思うが、ちょっと疑問が残る。働き頭の伊藤をつぶしたら元も子もないんやから、酷使は避けてもらいたいよな」

(構成=井関真編集委員)


2000年8月6日付紙面掲載 
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