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阪神 5―4 広島(7月30日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
中西清起


連載目次

劇勝呼んだ救援陣の奮闘

先発投手陣の奮起が浮上へのカギ

 延長11回無死一塁。ルーキー松田の打球が右翼線を鋭く破って、一塁から矢野がホームへ。阪神ファンの願いをかなえるサヨナラ勝ちがまた成就した。後半戦開幕の対広島戦はこれで2度も最大限の喜びに浸れる劇的勝利というわけだ。

 中西清起(日刊スポーツ評論家)「松田はよう打ちましたなあ。あの場面、葛西の続投が頭にあるし、代打ももうカツノリと平尾だけと底をついていた。だから松田に送りバントでなく打たせるしかなかったんです。ベンチもまさか決めてくれるとは思わなかったでしょうが、ホンマよう打ちましたわ。ただこの日の勝利を呼び込んだのは、阪神のリリーフ陣です。伊藤、福原、葛西らの踏ん張りに尽きます」

 先発投手が崩壊気味で、阪神は7月5日の川尻以来15試合も先発が白星を記録できない。完投に至っては6月11日の湯舟以来、31試合も成し遂げられていないのだ。一方の広島は逆に救援陣が心もとないことこの上ない。後半戦開幕の3連戦が、まるで鋳型にはめたように広島が先行、阪神が追い上げる展開になったのは、当たり前の成り行きだった。この日もハンセルが5回4失点で降板。しかも阪神4失策、広島が東出の一手販売で3失策と両軍合わせて7失策が乱れ飛ぶゲームだった。

 中西清起「エラー続出の締まりのない試合が、福原らが出て来ると、締まったでしょう。外野フライも打たせられない局面で、福原も葛西もよくしのぎましたで。伊藤と葛西これだけ数多く投げているのに、被本塁打0やいうの知ってますか。この数字だけで彼らの大きな安定感が分かりますわね。とにかく、タイガース・ペースの継投が、サヨナラ勝ちに結びついた。それしかない試合でしたわ」

 再スタートは2勝1敗の勝ち越し。とはいっても手放しで喜んでばかりはいられない。打線の層が薄く追加点がなかなか奪えないうえ、リリーフ陣が力不足の広島相手だから勝ち越せたというのが、おそらくは本当のところだったろう。今後、少しでも浮上のためには、やはり先発陣の奮起が何よりも必要だ。

 中西清起「四球後に真ん中へ投げる(4回無死満塁にしてロペスに先制2点適時打)ハンセルはこんなモンでしょう。川尻と藪。この2人は絶対に7回まで投げてくれないとね。とにかく先発投手の踏ん張り。それが今後のカギです」

(構成=井関真編集委員)


2000年7月31日付紙面掲載 
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