spacer
横浜 5―1 阪神(7月16日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
中西清起


連載目次

後半戦に希望残すために…

気持ち切りかえTG戦だ

 9回、先頭の山田がカーブを左翼席へ運んだ。代打今岡もヒット。しかし甲子園の盛り上がりは、その一瞬だけで、風のように通り過ぎて行った。坪井以下がアッサリと凡退して、1―5の試合はピリオドを打った。

 中西清起(日刊スポーツ評論家)「星野伸の4回の計算違い…。それがすべての敗戦やったですね。思い通りのピッチングで金城、鈴木尚を抑えて2死を取った。横浜戦のポイントはローズの前に走者を出さないだから、まさに狙い通り。そのローズに二塁打されたのは仕方ない。中根、佐伯の2人で1つのアウトを、と目論んで、中根には2―2からコーナーをついて歩かした。これも計算づくです。ところが佐伯に1―1からカーブが肩口から入って右前タイムリー。この失投が悔やまれますわ。あの計算違いでペースが狂い、谷繁にも外角寄りの甘い直球を3ランされた」

 精密機械のような投球が、僅かな誤差で狂って、頼みの星野伸は沈没して行った。ただ、この時点では、まだ阪神に6イニングの攻撃の機会は残されていたのだ。だが、横浜三浦の前に、打線が火を噴くことはなかった。目立ったのは、早いカウントからの積極打法で、2つストライクを見送ったのは2回の大豊だけ。残り29人の打者はいずれも第1ストライクか第2ストライクを打って出た。しかし、結果的には三浦の無四球完投を助けただけという皮肉。

 中西清起「三浦は早いカウントからフォークを使って、阪神打線の狙いをはぐらかしました。甘い球が少なかったし、真っ直ぐを叩きに行っても、見た目以上にキレがあって、球1つ分差し込まれた形になった。ホンマに打線は水モノや」

 借金は10。これでオールスターまでは巨人3連戦を残すだけになった。本拠の夏祭りとも言える巨人との3連戦は、今季の阪神がささやかな希望を抱きながら後半戦に臨めるか、絶望的な消化試合を延々とこなさなければいけなくなるのか、瀬戸際の戦いになる。

 中西清起「とにかく巨人に勝ち越すことです。そのためには先発投手。最近は先発が早い回で崩れている試合が多いが、藪、川尻がどこまで踏ん張れるか。この2人には、7回まで2失点、がノルマやと思いますよ。彼らが7回を2失点で乗り切らないと、巨人相手に勝算はない。それ位の覚悟が必要な試合です」

(構成=井関真編集委員)


2000年7月17日付紙面掲載 
Home