spacer
中日 4―2 阪神(7月13日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
一枝修平


連載目次

2000年最大のピンチ…自信持て!

「指示待ち」野球から脱皮しないと

 ナゴヤドームの中日戦は、試合を重ねるにつれ、切なさだけが増して行く。湯舟を3回半ばで早々とアキラメ、伊藤、西川、福原(彼は何と155キロをマークした)遠山、中込と惜しみなく投手を注ぎ込んだゲームは、その意欲とは裏腹に勝ち目のない負け戦。9回、最後の反撃も2点差に迫るのがやっとで、3時間54分に及ぶ試合は、また勝利の結実をもたらさなかった。

 ところでこの夜、阪神の守りの乱れを順を追って列挙すると、こうなる。三ゴロ失、ボーク、三ゴロ野選、ショートの落球。これらが5回までの前半に固まって飛び出した。

 一枝修平(日刊スポーツ評論家)「連鎖反応というしかないな。田中の落球なんかは、グラブだけで処理に行って、送球を焦って落としたプレー。足を使って正面で受ければ何ともないわけで、基本に外れたプレーだった。ハートキーの守りは堅実なんやけどなあ。ただ、ポイントは初回の攻めにあったと思うよ」

 先手がほしい阪神は、初回先頭田中が安打で出塁する。ハートキーのカウントは1―3、バンチ攻略には絶好の状況になった。だが、ハートキーの打球は平凡な二ゴロとなり併殺を喫してしまった。

 一枝修平「作戦というのは元来弱気の反映だが、あの場面は強気に仕掛けられた。それを無策で二ゴロの併殺打。バンチとハートキーの能力の差というしかないか。あそこで流れをつかめなかったことが響いたね」

 モタつき続けの阪神にあって、新庄の守りだけはやたら光った。5つの結構難しいフライをさりげなく処理。内野がバタバタだっただけに、そのコントラストはより際立った。

 一枝修平「新庄の守りで3点は助かったで。フライに追い付くスピードと肩、こと守りだけなら、新庄はイチローより上や。ただ、その守りも大差の試合になることを防ぐ働きしかできなかったが…」

 今季最多の借金「11」を抱えてしまった。2000年で最も苦しい局面がやって来たのだ。立て直しの術はあるのだろうか。

 一枝修平「1人1人がもっと自信を持って戦わないと。監督の指示待ち、アドバイス待ちばかりで、自分らで野球ができないようになっているように見える。そこから脱皮しないと…。甲子園に帰った14日からは、本当に瀬戸際の戦いになる」

(構成=井関真編集委員)


2000年7月14日付紙面掲載 
Home