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中日 11―8 阪神(7月12日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
一枝修平


連載目次

典型的な“守り負け”

63通り目オーダーもう少し我慢の起用を

 守りの破綻からワンサイドになった試合を象徴するように、8回からは新庄が三塁に、9回はその三塁に今岡が入る布陣となった。今季、阪神のサードはバトル、ハートキーの外国人選手を始めとしてザッと勘定して10人。この日は先発のサードは根本だったが、彼も手痛いエラーを1つして、チームの屈辱的な敗戦を招き寄せる1人になってしまった。

 一枝修平(日刊スポーツ評論家)「63通り目のオーダー? そうなるやろな。内野は固定したいところだが、それぞれのポジションにここまでいったい何人が入ったことか。中日が開幕から実績のある選手の打撃不振が続いても、我慢して使い続けて、やっと立ち直らせたやろ。阪神の場合、そこまでのレベルには達していないかもしれない。経験も浅いから不安定要素も多いやろう。しかしなあ、ここまでコロコロと変えては、いつまでたっても同じことの繰り返しと違うかなあ」

 典型的な守り負けだった。まるで魔物が棲んでいるようなナゴヤドームで、この日も失笑が起きるプレーがいくつ出たことか。先制された3回は、田中のエラーで始まり、投手の正津にヒット、その後は連続死球で押し出し…。試合の行方が決まった5回は、無死一、二塁から関川が一塁線バント、ファウルになると見た大豊の判断ミスと、その直後の根本の失策でピンチを拡大して、中日の集中攻撃を浴びたのだった。

 一枝「田中はゴロを小手先で処理しようとする。去年のひたむきさが消えてプレーが軽くなったような気がするな。大豊のバント処理は、甲子園ならファウルグラウンドへなだらかな傾斜があるからファウルになったやろう。しかしここ(ナゴヤドーム)は平坦、しかもラインを引いてある個所はほんの少し盛り上がっているからファウルにはならない。根本のエラーは三塁でゲーム慣れしていない所が出たね。肩があまり強くないから投げ急いで球を捕り損なったんや」

 手を変え品を変え…もまったく通用しなかった。9回の6点を奪った反撃もどこかシラッとした雰囲気の中。ナゴヤドームでは12連敗、借金も「10」と増大してしまった。

 一枝「選手はコマで、監督がそのコマを動かす。それは当たり前なのだが、それぞれにもう少し時間を与えてやってほしい。つまり、単なるコマ扱いでなく、魂のこもったコマに育ててもらいたい、と思うんや」

(構成=井関真編集委員)


2000年7月13日付紙面掲載 
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