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阪神 2―1 中日 (5月25日)
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連載目次 |
的場は資質と強運の持ち主9回エラーも負けにつながらず3試合連続の延長を、ひそかに覚悟していた8回裏、ハートキーの決勝二塁打が飛び出した。この回先頭の坪井が内野安打。今岡がバントを決められず1死となった後、ハートキーが左翼線に快打を放ち、坪井を迎え入れたのだ。2―1。接戦続きの対中日3連戦を勝ち越すことができた。 わずか1点差の勝利とは言え、立役者はそこかしこにいた。8回を投げ抜き相手を1点に抑えた川尻、もちろんハートキー、初回の先制1号アーチを左中間にかけた今岡、さらに6回大ファインプレー(無死一、三塁で左中間のフライを捕りタッチアップした李を本塁で刺す併殺)で試合の流れを一気に引き寄せた新庄…。ヒーローたちの名前がとめどなく出てくる意外に華やいだゲームだった。 そんな中で、ドラフト1位ルーキー的場は影の薄い存在のまま終わった試合であった。2回には2死一塁から中前ヒットを飛ばしたし、4回の1死一、二塁では三ゴロだったが進塁は助けた。守っても4回李の三遊間ゴロをさばいたプレーなどは、彼の成長ぶりをのぞかせる。 だが1点差をつけた9回、先頭山崎の三遊間寄りのゴロをハジいてそらしてしまった。記録が失策というのは少し気の毒なプレーだったが、エラーはエラーである。「いや、逆に的場の運の強さを感じましたね。運のない人だと、ああいったケースで同点になったり、逆転されたりする。それで自分を責めて、実力を出し切れないまま、この世界から去っていくことは多いじゃないですか。それなのに、彼のエラーは大事に至らなかった。運の強さ…。大切なことですよ」。大石大二郎さんの言葉だ。 もちろん運だけの新人ではないだろう。「的場はいいですよ。落ち着いているし、けん制のサインを平気で出すでしょう。あれはなかなかできないんですよ」と、大石さんは続ける。二塁へのけん制のサインは野手が投手に送る。ミス(悪けん制や落球)が出ればピンチは一気に広がるし、何より投手の投球リズムを阻害しないか、という思いがして、新人のショートはサインを出しづらいものらしい。それが出来るというのも、確かに一つの資質かもしれない。 プロのショートとしてはむろん未完成。それでも背番号2のルーキーには、次の試合に少し期待する気持ちを抱いてしまう。 (編集委員)
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2000年5月26日付紙面掲載 | ||||||
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