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中日 3―2 阪神 (5月24日)


2000年の戦い
井関真


連載目次

未来の先発オーダー!?

7番ライト浜中、8番ショート的場

 さながら阪神の明日を見るような先発オーダーだ。中日の先発が左の小池、内部事情ではハートキーまでが体調を崩して欠場してしまったこともあって、7番ライト浜中、8番ショートはルーキーの的場、そして先発マウンドに立ったのは2年目の福原。

 投手は好投するのに、打線がチャンスをことごとくモノにできない、いつもながらの展開で、0―0のまま試合は終盤にもつれ込んだ。最初の勝負どころは7回裏の攻撃だった。そこまで2四球を選んでいた浜中が、この回代わった山本昌から中前にヒットを飛ばす。同じく1安打1四球の的場が左前打で無死一、二塁。ベンチは福原に代打を送らず打席に立たせる。1球目、バスター(空振り)2球目、バント(空振り)、その後3つのボールを選んでカウントは2―3に。直後、3つ目の作戦は思い切ったバスター・エンドランだった。が、空振りで最悪の三振併殺…。

 作戦が実らず、福原続投も裏目に出たのが、8回表の守りだった。初回は151キロ(李の初球)をマークした速球は、終盤に入るとさすがに減速して、この8回はもう146キロが最速だった。関川の四球からピンチを招き、1死一、二塁からゴメスに2点二塁打を浴びてしまったのだ。

 だが、確かに阪神には粘りが備わってきている。2番和田から始まる打順に、中日は右の正津を起用してきた。阪神はこの時点で左の代打は大豊、桧山、佐々木ら豊富だが、右はカツノリと高波だけ。打順が下位に回ると、当然左攻勢をかけて来る。そこで右打者が並ぶ上位打線は右腕で…となったのだろうが、1死後、阪神ベンチは今岡に代えて代打佐々木を送る。この佐々木の右前打が、豪快な同点劇の幕開けだった。4番新庄が0―1からの2球目、内角のシンカーを左翼席へ運んだのだった。

 空転した作戦を代打用兵で取り返した形で、同点にこぎつけた試合は、延長15回に及んだ。その間、両チームともベンチ入り選手をほぼ使い尽くす攻防。15回、最後の切り札・葛西が1死一、三塁から代打荒木に左翼へ犠飛を打ち上げられて決勝点が入る。壮大なくたびれもうけで、長い試合はピリオドを打った。

 白星という報酬は消え、敗北感が募る結末だったにしても、阪神のほのかに明るい明日だけは、チラッとのぞいた。

(編集委員)


2000年5月25日付紙面掲載 
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