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巨人 4―0 阪神 (5月13日)


2000年の戦い
井関真


連載目次

抑えミラーじゃ危なっかしい

2度目テストも失敗

 5万5000人。甲子園を埋め尽くした観客が、ただの1度だけ歓声をあげたのは0―4の9回裏、2死から坪井が中前へクリーンヒットを飛ばした一瞬だけだった。続くハートキーが2球目を右飛。歓声がアッサリとしぼみ、対巨人戦6連勝の夢を追いかけた試合は、一方的な敗戦で幕を閉じた。

 初回先頭の仁志に、湯舟が一発を浴びた。終わってみれば、絶好調・上原から1点すら奪えなかったわけだから、湯舟が仁志に投げた7球目でこの夜の勝負は確定していたのだ。2回には、今度は二岡に左翼席へ2ラン。

 上原に手も足も出なかった阪神打線は、初回1死後、ハートキーが右前へポテンヒットを放ってから、長らく沈黙を続けた。2回から8回まで3人ずつで仕留められて行く。2本の本塁打には追い風になった甲子園の浜風が、上原の投球まで後押しする。フォークが逆風のお陰で、いつも以上の落差となって、阪神打線を苦しめ抜いたのだ。連打が飛ぶような雰囲気は、カケラもなかった。

 阪神にすれば、9回表がなかったら、実はほとんどショックの残らない敗戦だったかもしれない。しかし9回、ミラーに7日(広島戦)のサヨナラ満塁本塁打被弾後2度目の抑えテストをしたことで、いささか様相は変わった。ミラーは村田真を遊ゴロ、上原を三振に切って取ったが、仁志に中前打を打たれると、途端にコントロールに苦しみ出した。清水、江藤に連続四球。満塁のピンチを残して、吉野の救援を仰いだ。

 抑えに必要な球速はともかく、微妙なコントロールがまるで定まらない。これでは1点差などの競り合いには、危なっかしくて使えはしない。勝ち試合を確実に拾える抑えとしての信頼感を取り戻すことはできなかった。

 とは言っても、巨人戦は15日もあるわけだし、ペナントレースはまだ102試合も残っている。川尻や葛西、遠山ら複数の、今は中継ぎをしている投手を抑えの代役にして急場しのぎをして、ミラーの復調を待つ、というのは少しムシがよ過ぎるような気もする。

 阪神の投手陣の陣容を考えた時、実はミラーの代役を務められるのは福原しかいない。先発でカベに当たっている福原を、抑え不在のこの時期に再び抑えにUターンさせるのかどうか。阪神の首脳陣にとっては難しい決断を迫られる時がやって来たようだ。

(編集委員)


2000年5月14日付紙面掲載 
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