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阪神 5―4 中日 (5月9日)
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連載目次 |
坪井が“先手必勝”の原動力打撃上昇…虎にうれしい波目の上のタンコブが確実に1つ減った。中日の左腕野口は昨年、阪神が最大の苦手投手にしていた1人だ。対戦成績は0勝6敗、防御率は1・95だった。1試合平均2点が取れたらよしとしなければいけない相手。その野口が、今季初めて阪神戦に先発してきた。 結果はどうなったか。この左腕を打ちのめして、わずか3回でKOしたのだ。ハートキーの来日初本塁打が逆転の3ランになって、6安打、5点を奪った。今季の対阪神戦防御率は12・00である。いやはやものすごい落差ではないか。先発福原が乱調で2回KOの憂き目にあったが、そんな悩ましい事実も、ゲームの中に埋没させてしまった。 むろんハートキーの1発は大きかった。しかし、野口を引きずり降ろす原動力になったのは1番坪井だ。初回、先頭打者として鋭い左前打。この一振りが、阪神打線に活気を呼び込んだ。先手を取れば滅法強い阪神に、1回待望の先取点をもたらした。 この坪井は逆転された2回も、2死二塁で中越えに同点に追いつくタイムリー三塁打を放っている。どちらの当たりも、シンでジャストミートしたものだった。野口にしてみれば昨年、20打数3安打、打率1割5分に抑え切った坪井に、いとも簡単に打ち込まれたことで、すっかりペースが狂ったのだった。 先手必勝のチームらしく、今季全試合1番で起用されている坪井の初回打席は、チームの勝敗に密接に連動している。9連勝中は10打数6安打(引き分け1を含む)、逆に6連敗中は4打数0安打(2四球)だった。坪井が初回に快打を飛ばせば、チーム全体が勢い付くというわけか。 試合は3回までに奪った1点のリードを、野村監督が得意とする計算づくの小刻みな継投でしのぎ切る展開になった。福原―吉野―川尻(彼が中日の攻撃の流れを分断した)―吉田豊―伊藤―遠山―葛西―遠山(一塁に入った途端バントとゴロを鮮やかに処理して再び登板)とつないぐウルトラCリレーが功を奏して、福井のファンを大喜びさせる逃げ切り勝ちを収めた。 典型的な先行逃げ切り型の阪神は、これで今季15勝の内14勝をそのパターンでモノにした。原動力となる坪井の初回先頭打席の成績は5月に入って5打数3安打2四球。うれしい波が押し寄せてきている。 (編集委員)
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2000年5月10日付紙面掲載 | ||||||
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