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横浜 3―0 阪神 (5月4日)


2000年の戦い
井関真


連載目次

沈黙クリーンアップ

10安打中2安打…横浜は12本のうち5本

 試合が終わって、およそ3分後、一塁側室内ブルペンで待機し続けたミラーが、グラウンドを通ってベンチへ戻る。出番はまたこの日も訪れることはなかった。本来なら期待に満ちた声援を背に、グラウンドに足を踏み入れるはずの抑えの切り札が、失望のタメ息があふれる中を所在なげに歩む。

 6連敗、横浜にはこれで13連敗になって、勝率5割からもこぼれ落ちてしまった。敗因はいつもと同じ。つながらず、点がとれない打線。7、9回を除く7イニングは走者を出したが、決定打は出ない。これで3試合連続の完封負けだ。

 先発は藪ではなく川尻だった。今季4勝無敗の藪だが、昨年の横浜戦は1試合投げただけ。5回3分の1で12安打(2本塁打)を浴び9点を失っている。防御率は15・19。この相性の悪さを嫌った用兵だったのだろう。もっとも川尻も、昨年の横浜戦は2試合登板して、7回で8失点。彼の防御率も10・29だから、相性の問題からすれば不毛の選択ではあった。

 それでも初先発の川尻はよく投げた。最速140キロ、緩いカーブは91キロという思い切った緩急差で、横浜打線を交わしにかかった。打順が一巡するまでに、横浜は2回に先取点を取ったとはいえ、この川尻の球に9個の空振りをしている。阪神の方はその間、三浦の球に空振りはたったの2個だ。

 ところが2、3巡目では、横浜打線はタイミングを取り戻して、空振りは2個ずつ。ローズは3巡目の打席で、試合を決める6号2ランをバックスクリーンへ放り込んだ。逆に阪神は2、3巡目には空振り数が3、4と増加する傾向を示した。1点差の5回1死一塁では、勝負をかけたエンドランを、新庄が空振り三振、盗塁も刺されて併殺を喫し、3点差をつけられた6回1死満塁では、とって置きの代打和田が、また空振り三振。これを勝負所のモロさというのか。

 安打数は12本―10本とほとんど変わりはしない。が、クリーンアップで5安打を打った横浜に対して、阪神のトリオは合計2安打。それも新庄のセーフティーバントとタラスコの一ゴロがイレギュラーしたヒットだけだ。試合の流れに乗って行けない上に、得点力の源が沈黙しては、勝てはしない。ミラーが歓声の中でマウンドに歩める展開へ持って行ける日は、いったいいつやってくるのだろうか。

(編集委員)


2000年5月5日付紙面掲載 
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