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中日 3―2 阪神 (4月29日)


2000年の戦い
井関真


連載目次

核なき打線…あぁ4番打者

最近6試合 24打数13三振では

 先発投手が息切れして、中継ぎ陣でやり繰りしなければいけない8回が“トラの穴”と前日、書いたら、本当にこの日も8回に逆転の憂き目に合った。2―1で進んだ試合は8回、ハンセルが代打愛甲に同点本塁打を浴び、福留にヒットを打たれて降板。ここから3人の投手を細切れでつないだが、立浪の適時打で勝ち越し点を許してしまった。

 9回、最後の攻撃。安打出塁の新庄が、矢野の3球目にエンドランを仕掛け、三ゴロの間に果敢に三塁をねらいに行ったが間一髪のアウト。それでもバトル内野安打、代走高波が二盗に成功する。足を使って遮二無二追撃する姿は、それなりに迫力があったものの、頼みの代打大豊のバットはとうとう火を噴かなかった。

 1点を先行されながら、2回には新庄の同点アーチが出た。3回はタラスコのタイムリーで逆転。しかし、この2点だけで勝とうというのは、ムシが良過ぎたのかもしれない。つまり阪神のこの日の敗因は、8回まで投げた中日小池から3安打しか打てなかった打線の弱さにひそんでいた。

 打線の核といえる4番打者は、広沢に代わっていた。開幕から8試合は新庄、その後は大豊が計7試合、そして広沢もまた計7試合目(内1試合は偵察メンバーで藪が入り、すぐに広沢に交代している)の4番だった。しかし、広沢は1つの四球を選びはしたが、3打数0安打で2つの三振を喫した。小池の変化球にタイミングが合う打席はついになく、打線の核としては、切なく寂しい結果…。

 22日のヤクルト戦から6試合、阪神の4番打者が三振をしていないゲームは1度もない。この日の2三振を含めて、6試合で実に13三振(24打数)を数える。しのぎ勝ちはできても、打ち勝つ展開に持ち込めない大きな要因は、おそらくここに隠されているのだ。

 もっとも今の阪神の陣容から考えると、4番の適任者は大豊と広沢しかいない。新庄が4番では3勝5敗、広沢で4勝3敗、そして大豊で6勝1敗という勝敗の数字が、それぞれの力関係の端的な発露のような気もするけれど、大豊の調子の激しい振幅を見ると、確かに固定も難しかろう。

 破竹の快進撃が終わると、やりきれない流れの連敗。ああ4番打者…。阪神の悩みは当分付きまとうのだろうか。

(編集委員)


2000年4月30日付紙面掲載 
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