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阪神 1―0 広島 (4月27日)
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連載目次 |
勝利の陰に坪井の課題チラリ3回雑な走塁で逸機いつも冷静な藪が声を上ずらせている。「本当に興奮してます」。延長10回、サヨナラ勝ちを収めた直後のヒーローインタビュー。連勝が「9」に伸び、阪神はとうとう首位を射止めてしまった。 4月13日の巨人戦、藪が好投して巨人を倒してから始まった連勝を、藪がまた伸ばした。昨季、6勝16敗とのたうちまわった男が、この日の10回完封で今季はもう4勝無敗だ。エースの称号を1度ははく奪された藪が、再びエースの座に戻ってきた。昨年と今年の藪のはなはだしい“落差”が、チームを支えているのだ。藪が阪神を支え、バックが藪を支える。幸せな二重構造が、今の阪神のバックボーンか。 初回、先頭木村拓の三塁線を破りかけた打球をバトルが横っ飛びで捕ったプレーが、藪の投球の流れを作った。強気に内角を攻め、丁寧に低めを突いたことから、内野への打球が多い試合だったが、内野陣は1つのミスもなく、藪を盛り立てた。そして10回裏、サヨナラのホームを奪った捕手矢野の好リード。藪が「何も考えずに投げられた」と言うのは、まさしくこの矢野のお陰だった。 ところで阪神の戦いぶりは完ぺきだったろうか。勝利をつかんだ結果においては満点でも、もっと早く先行―逃げ切りの必勝の形をこしらえられなかったものか。得点機はほとんどなかったとはいえ、ち密な攻めは、ついに機能しなかった。 3回2死一、三塁。田中が今や阪神得意の“飛び道具”となっている対左腕の三盗で作ったチャンスだった。打者平尾のカウント1―3になって、一塁走者坪井がけん制球に飛び出し、逸機している。この場面、目下19打席ヒットのない平尾とはいえ、打者有利なカウント、さらに四球を選べば満塁でタラスコにつながるのだから、重盗はどうだったか。さらに坪井のヤマカンのスタートは余りにも雑であった。 逆に8回2死一塁では、高橋の4度けん制に、坪井はついにスタートを切れなかった。今度は強引に盗塁をねらう局面ではなかったか。敗れたとはいえ、広島が9回は東出が7度のけん制をかいくぐって二盗を決め、10回も福地がまた盗塁に成功している。 劇的なサヨナラ勝ちの陰に、1番打者坪井のチャンスメーカーとしての課題がチラッと浮き彫りになった試合でもあった。 (編集委員)
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2000年4月28日付紙面掲載 | ||||||
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