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阪神―広島<雨天中止> (4月26日)


2000年の戦い
井関真


連載目次

「今すべきこと」実践し始めた

結果恐れず1プレーに集中

 夜中の午前0時前まで大熱戦を繰り広げた翌日は、朝から雨が降り注ぐ。午後2時過ぎには中止決定。今季はもう4度目の雨天中止だが、巡り合わせが良いのか、過去3度はいずれも中止の翌日の試合をモノにしている。天候も味方をしてくれているようで、何とも心強い限りだ。

 25日の広島戦。延長15回のゲームの中で、不思議と印象的だったのが、実は新庄がショートに入って一生懸命に守っていた姿と、9回に代走に出て、その後センターを守り、左打席で初めて安打を飛ばした高波のキビキビした動きだった。新庄は3つのゴロ(1つはイレギュラーした)を無難にさばき、高波は同点に追いつく好走塁(無死一、二塁、坪井の右飛で一塁からタッチアップして二塁を奪った)をやってのけた。どちらも別に際立って派手なプレーではなかったが、チームの方針の浸透を感じさせられた。

 シーズン前、スポーツの世界でカリスマと呼ばれる人たちを何人か取材させてもらった。ゴルフの村上隆さん。1975年、“日本”と名の付く4大タイトルをすべて独占した史上唯一の名選手はこう言った。「理論を持てなかった時代、勝負がかかると重圧がかかり腕が動かなくなって、万年2位と言われた。ニクラウスの本を読み、パットは順回転の球を打つということを学んだ。タイヤを転がすように順回転…。それが私の理論武装だった。プレッシャーがかかる局面になると、私は結果ではなく順回転を与えるためになすべきことを考えた。重圧はなくなった。それが75年だった」。

 結果ではなく、今自分がするべきことを考える。たとえば高波。彼は9回、同点の走者として、二塁ではなく、あえて一塁に代走で起用された。その根拠を十分に理解して、なすべきことをしたのだ。むろん新庄も同様だった。ここにタイガースの選手たちの、村上さん流に言うならば“理論武装”の端緒が見て取れるのではないか。

 結果だけにとらわれると、当然恐れも迷いもまとわり付くだろう。だから、なすべきことをいかにするか、だけに集中する。TOP野球のPはプロセス(過程)。結果ではなく過程に重きを置く野球には、うれしい兆候が確実にチラホラと表れている。その上さらに27日の広島戦に勝って9連勝という結果まで伴えば、よりいっそう喜ばしい。

(編集委員)


2000年4月27日付紙面掲載 
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