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阪神 4―4 広島 (4月25日)
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連載目次 |
新たな力吹き込む貴重体験“純粋な情熱”傾けられた一戦延長15回、5時間34分の激闘は、オーバーヒートしそうなほどに熱い戦いだった。2点差をつけられて迎えた9回裏に2点を取って追いつく。以後は選手を使い尽くす明日なき戦いに…。15回2死一塁、阪神は最後の1人カツノリにサヨナラ勝ちの夢を託したが、バットは空を切って、長いゲームにピリオドが打たれた。 先行して逃げ切るのが阪神の必勝パターンで、その形にはまると、今季11勝1敗だ。もちろんその裏には、逆の形(相手に先手を許す展開)では0勝6敗という切ない数字が隠れてはいる。広島との戦いは、阪神にとって最悪の形で始まっている。先発福原が初回につかまりいきなり2点をもぎ取られたのだ。しかも3、4回にも1点ずつ…。広島に揺さぶられ(4回までに3盗塁)、打たれ(福原は対左打者に14打数8安打!)一方的な流れだった。にもかかわらず、負けなかった。盛り返して引き分けに持ち込んだ。 福原をつないだ吉野、山崎、吉田豊、遠山、伊藤、ミラーがそれぞれに持ち味を発揮して、けなげに投げた。先発が崩れても、中継ぎが頑張れば試合が再構成される。そんな得難い教訓をつかんだ試合だったかもしれなかった。延長に入ってからは守りのミスもなく(新庄が8年ぶりにショートに入ったにもかかわらず)、全員が一丸になった戦いぶりは、勝利の報酬はなくても十分にまぶしかった。もちろん実際にグラウンドで戦った選手たちにも、充実感はあったのだろう。15回表、無死一、二塁のピンチを切り抜けると、ベンチ前でみんなが手を握り合って“祝福”したものだった。 野村監督は戦いの内容を充実させるためには4つの要素が必要だとしている。純粋な情熱、高度な技量、修羅場での経験、そして追い詰められた心境での戦いを知ること、だ。広島との首位攻防戦は、純粋な情熱を傾けられる試合だった。高度な技量はさておき、そのゲームが15回に及ぶ修羅場と化し、何度も追い詰められた心境に陥る展開となった。首位に立つ願いはかなえられなかったし、切り札のミラーが4回1/3も投げて、もう今日は使えなくなったけれど、決して骨折り損のくたびれもうけではなかったろう。 首位を争うから、こんなゲームも繰り広げられるのだ。5時間34分の体験は、阪神に新たな“力”を確実に吹き込んでくれた。 (編集委員)
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2000年4月26日付紙面掲載 | ||||||
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