|
阪神 5―4 ヤクルト (4月22日)
| ||||||
連載目次 |
野村監督に脅えたヤクルトあらゆる事が完ペキに決まった最後はミラーと矢野のバッテリーが徹底的な変化球攻め。代打高橋智のバットに空を切らせて1点差の逃げ切り勝ちだ。7年ぶりの7連勝。甲子園に戻って来ても、阪神はやっぱり滅法強かった。 5―4で迎えた9回、ミラーは先頭の代打池山に145キロの直球を左中間に二塁打される。池山に要した5球の内、4球が真っすぐ。その走りがもうひとつと矢野は瞬時に判断したのだろう。以後、ペタジーニの敬遠四球は別にして、11球全部スライダーで交わしにかかった。ヤクルト打線のウラをかく頭脳的な配球に、佐藤、古田、高橋智のバットから快音は発せられなかった。 鉄壁の守り、見切り時の的確な継投、そしてわずか3度(それ以外の5回はすべて3者凡退)の得点機をことごとく生かした攻め。あらゆることが完ぺきにこなされた試合だった。新庄の2ラン、広沢のタイムリーで3―0になったところで、1度ぐらいは追いつかれる展開を見たい、と思った。6連勝は全部先行して、追いつきも追い越されもしないまま勝った白星だ。だから…。ぜいたくなことを思っていたら、その通りに試合が進んだのだ。 しかし、同点にこぎつけられても、阪神はしたたかに勝ち越し点を奪った。7回、矢野が内野安打、バトルが四球で無死一、二塁。田中は2―3からの6球目にバントを決めて、二、三塁とチャンスを膨らませ、代打和田、そして坪井の殊勲打に結び付けている。この田中の打席、1、3、4、5球目はいずれもバントの構えをしているのだが、2球目だけは1度だけヒッティングの構えをとった。実はこの2球目だけ、ヤクルト内野陣が極端なバント・シフト(ショートが三塁に入り、一、三塁が猛烈に前進)を仕掛けたのだ。すべてお見通し? ヤクルトの裏の裏まで知り尽くしている野村監督、松井ヘッドの影が、ヤクルトの守りを硬直化させ、勝ち越し点へと試合は流れて行った。 3点目を取った3回も、1死一塁から石井一のボークを誘って得点につないでいる。平尾に2球投げる間に4度のけん制したあげく、1―1からボークをしたのだが、これもまた阪神ベンチの影に脅えた1プレーだったろうか。土壇場でミラーの速球の影をチラつかせながら変化球で締めくくった試合は、序盤からの流れの集大成であった。 (編集委員)
|
|||||
|
2000年4月23日付紙面掲載 | ||||||
|
| ||||||
|
| ||||||
|
||||||