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阪神 7―1 中日 (4月14日)
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連載目次 |
走者進める小技に固執ミス救った3本のアーチ巨人戦という宴が終わった甲子園は、2万3000人と少し寂しい観客数だった。広沢の勝ち越し本塁打に平尾と矢野のアッと驚く大ホームラン。ファンを大喜びさせる派手な側面があったにしても、もう片方の側面には野球にまつわる様々な要素が秘められていて、巨人との試合よりも見応えがあった。 星野伸は確かに投げる手品師だ。速くて127キロ、緩い球は87キロという素人なみのスピードの球しか投げることができない。そんな投手がプロ169個目の白星をさりげなく手中に収めた。相手打者のねらいを見透かして、勇気を持って緩い変化球を投げ込む。4回ゴメスにカーブを本塁打されたが、相手に読まれたのは、その1球だけだった。 阪神が勝利を確定させたのは7回の4点。中日は2番手小山が投げていた。彼は141キロを平尾に本塁打され、142キロをタラスコにヒットされた。星野伸が逆立ちしても投げられない球速なのに、小山は打たれ、星野伸は中日を手玉にとった。読み、勇気、コントロール、そして変化球の大きさ鋭さ。手品の種は、おそらくたったこれだけのことなのだ。 星野伸に見とれた試合ではあったが、攻撃面でも随所に面白い場面が用意されていた。初回に先頭坪井が二塁打。平尾が1度バントをファウルした後、送りバントを決めた。タラスコの適時打で先制。そのタラスコは広沢の2球目に盗塁を企てた(失敗)。2回も2死から中前打した新庄が二盗失敗…。 別に失敗をあげつらうわけではない。実は接戦気配だった6回までに、阪神の一塁走者は5度に渡ってスタートを切っている。さらにバントは、6回新庄のスクイズ(ファウル)を含めて6度試みられた。つまり走って相手をかき回す意図と、確実に走者を次の塁へ進める小技に固執した試合だったのだ。 結果はどうだったか。盗塁失敗が2、エンドランが内野ゴロになって進塁を助けたケースが1、ランエンドヒットでファウルが2。バントの方は成功が2、捕邪飛1、ファウル3。はかばかしい成果とは、決して言えない数字が残った。皮肉なことに、そんなしくじりがありながら、3発の本塁打がすべてを救ってくれた勝利であった。 野村阪神らしさが出た面、出なかった面…。さまざまな側面を抱え込みながら、ともあれ阪神はめでたく連勝を飾った。 (編集委員)
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2000年4月15日付紙面掲載 | ||||||
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