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巨人 15―1 阪神(8月31日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
広瀬叔功


連載目次

新庄以外に成長した選手不在

大敗語るより、そこが問題

 江藤の満塁本塁打で始まった伝統の一戦は、右へ左へホームランが乱舞するすさまじくかつ恥ずかしい試合となった。むろん真っ向からの力勝負となってしまっては、阪神に勝ち目などない。巨人の7ホーマーに対して、阪神は新庄の一発だけ。粉々に粉砕されてしまった。

 広瀬叔功(日刊スポーツ評論家)「何やねん、このゲームは。そろばんがいるなあ。1回に藪が死球2つと松井のヒットで2死満塁にして江藤にホームランを打たれた。巨人のパワーに対する警戒心が高橋由、清原への死球となり、満塁にしてからはあまり厳しいコースに投げられないとあって、内角狙いが真ん中へ入ってきて江藤にドカン。それと4回、新庄の24号で1点入れて、なお無死二、三塁のチャンスを作ったやろ。結局藪に代打も送らず、その好機をモノにできなかった。ここで点差を詰めていたら、集中力も持続したと思うが、アッケなくチャンスを逃したことで、気持ちも散漫になった。その裏に藪は打ちのめされて、試合は決まったな」

 14点差のゲームとはいっても、確かにどこかにそういう流れに傾いていったポイントはあるだろう。だが、そんなことをアレコレ語るのがはばかられる試合であった。東京ドームで繰り広げられた戦いは、あまりにもみすぼらしく、切なかった。

 広瀬「新庄は成長したよ。球を呼び込んで打てるようになった。長く球を見ることができるようになって、ストライクとボールの見極めが出来る打者になった。本塁打はもちろんフロックでも何でもない。しかしな、阪神の中で成長した選手がほかにいるか? 坪井、田中…進歩どころか退歩している。走れる選手もいなければ、3割打者になるのと違うか、と思っていた今岡なんか1軍にもいてないやないか。実は阪神が抱える大きな問題点はここにあると思うよ」

 野村阪神2年目も、飛躍はなかった。そして3年目、ジャンプアップできる要素はこれまた乏しい。

 広瀬「ノムやんはヤクルトの監督時代に阪神を丸裸にしていたのやから、野球を教えたら勝てる…という自信があったんやと思う。だけど、肝心の技術、力が伴わなかった。この2年間で選手を育て上げることが出来なかった。来年も新しい外国人頼みのチームでは、今の繰り返しをしてしまいそうな気がして、寂しいなあ」

(構成=井関真編集委員)


2000年9月1日付紙面掲載 
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