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阪神 5―4 ヤクルト(8月24日)


2000年の戦い
評論家が
徹底分析
中西清起


連載目次

福原を先発固定して

二軍でやり直させるくらいの覚悟で

 延長14回裏2死一、二塁、直前の守りの途中からマスクをかぶっていた山田に打順が回ってきた。矢野の陰に隠れた存在になっていた山田が、その意地をたたきつけるようなライトへの快打。5時間40分に及ぶ長い戦いを劇的に締めくくった。

 中西清起(日刊スポーツ評論家)「山田は持ち前の積極性で初球勝負やと思ってたら、その初球の甘い球を見送りましたやろ。どうなるねん、と思ってたら、また甘いコースに来た。そんな有難い部分もあったけど、よう打ちましたわ」

 19安打を放ち、しかもその内2本が本塁打というのに4点しか奪えないヤクルトのツメの甘さに助けられた1勝といった側面はあるにしても、今の阪神には勝ち星ほど有難いモノはない。もっとも手放しで喜べない問題も、投手陣の中にはあった。先発した星野伸と、先発への再転向が決まっていながら背に腹は代えられないといった形で8回から登板、岩村に同点本塁打を浴びた福原だ。

 中西清起「星野伸はコントロール悪かったですね。高めばかりで、フォークも抜けた球が多かった。それと福原です。8回に打たれたホームランは置いといて、その使い方ですわ。彼は21世紀はローテーションの柱になる男でしょう。湯舟や藪、川尻といった投手の年齢的なことから考えて、福原は絶対に先発の柱にならないといけない存在です。それが見ている側からすれば、唐突なリリーフ登板。これちょっと中途半端過ぎるんやないですか。今季はもう先発で固定して、それでダメならファームでやり直させるくらいの覚悟で、育ててもらいたい、と思いますわ。最下位脱出も大切なことやけど、21世紀のチーム作りはもっと大切やと思うんですけどねえ」

 実は今季、阪神の投手陣の中で敗戦数がもっとも多い(8敗)のが、もっとも大きな期待をかけられた星野伸と福原だ。7人の投手が投げて、この2人だけが失点したこの日の試合は、今季の縮図でもあった。とはいえ、めでたいことこの上ないサヨナラ勝ち。最後に景気の良い話も。

 中西清起「左投手がホンマに豊富になった。西川、遠山、弓長。この3人は気迫もあったし、いいピッチングしましたで。これだけサウスポーの層が厚いと、この日みたいな延長の試合になったら、余計に有利に進められる。問題点もあったけど、まあエエ試合でした」

(構成=井関真編集委員)


2000年8月25日付紙面掲載 
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